ドラムは、クラシックやジャズ、ロック、ポップス、ラテン、演歌など、音楽のあらゆるジャンルでリズムの要となる必須の楽器です。近頃では、リズムマシーンを主体とした音楽もありますが、人がリズムを刻むグルーヴ感は、どのように技術や人工知能が進化したとしても、生演奏に勝るものはありません。
ただ、ドラムは他の楽器と比べると、場所を大きく占領します。それに、持ち運びも決して容易ではありませんし、移動も大変です。さらに、練習するとなると大きな音が出るので、集合住宅などで使用する場合は、しっかりとした防音対策が必要となります。
このように、デメリットばかりお伝えしましたが、実際問題、ドラムを練習する場合は、騒音対策は必須だと言えます。ドラムを自宅で練習するということは、けっこうハードルが高いものです。そして、ドラムが叩ける環境を確保できたなら、あとは基本となるドラムセットの購入です。
そこで今回は、「初心者におすすめのドラムセット5選」と題しまして、ドラム初心者におすすめのドラムセットを5つ紹介しながら、ドラムセットの選び方についてもお伝えしていきたいと思います。
初心者におすすめのドラムセット5選
今回は、下記の内容でおすすめのドラムセットを紹介していきます。
Contents
ドラムセットの選び方
ドラムセットは、いくつかの打楽器で構成された状態のもので、私たちが普段目にするドラムとは、ドラムセットのことを言います。購入の仕方は、各打楽器を単体で増やしていく方法と、基本的な打楽器がセットになった状態のものを選ぶ方法とがあります。
初心者の方の場合、前者はハードルが高いので、後者の基本的な打楽器がセットになった状態のドラムセットを選ぶのが無難です。では、ドラムセットはどのようにして選べば良いのでしょうか?
ご存じの方もいるかとは思いますが、私たちが通常ドラムセットと呼んでいるものはアコースティックのドラムセットです。しかし、アコースティックのドラム以外にも、電子ドラムというものがあります。
電子ドラムは、アコースティックのドラムと違い、楽器本体から直接大きな音が出ることはありません。つまり、自宅での練習には電子ドラムが適していると言えます。ただし、電子ドラムにもメリットとデメリットは存在します。
今回は、アコースティックのドラムセットのおすすめ楽器を紹介していきますので、電子ドラムに関しては、その特徴と傾向をシンプルにお伝えしたいと思います。
アコースティックドラムについて
お伝えしている通り、ドラムセットとは一般的にアコースティックの打楽器で構成されたものを指します。ドラムセットの基本的な構成は、スネアドラム、バスドラム、タム、フロアタム、ハイハットシンバル、クラッシュシンバル、ライドシンバルになります。
この構成なら、ほぼすべてのジャンルのリズムを刻むことが可能です。なかには、もっとシンプルな打楽器の構成で叩くドラマーもいますが、初心者の方には前述の構成を選ぶのが無難だと言えます。
アコースティックドラムは、電子ドラムと比較した場合、あらゆる面で性能はずば抜けていますが、大きな音がどうしても出てしまうため、自宅での練習には向いていません。もし、防音室などの対策が可能なのであれば、アコースティックのドラムセットをおすすめします。
もちろん、ドラムは必要な単体の楽器をひとつずつ揃えていく方法もあります。プロのドラマーは、好みのパーツを選んで、自分専用のドラムセットを組み上げている場合がほとんどです。ただ、初心者の方にこの方法はハードルが高すぎるためおすすめしません。
電子ドラムについて
電子ドラムは、楽器本体を叩いても、そのままの状態では直接本体から大きなドラムの音は出ません。電子ドラムは電気的にドラムの音を作り出す楽器なので、電源に繋げないかぎりドラムの音は出ません。
ドラムの音を出すには、ドラム本体の電源を入れて、シールドからアンプなどに繋ぎ音を増幅させるか、楽器本体のヘッドフォン端子に繋いで音を出すというかたちになります。
しかし、電子ドラムも実際に楽器本体を叩くわけですから、まったく騒音がないかと言えばそれは違います。パッドを叩くと、その材質を叩く音はどうしても出てしまします。
防音対策としては、比較的パッドそのものの叩く音が小さめなメッシュパッド選ぶか、パッド専用のシートを付けるなどの工夫をすることが重要です。あと、電子ドラムだけらといっても、集合住宅などでは深夜の練習は控えた方が無難です。
ドラムの設置場所について
ドラムは、思い切り叩かなくても音はそうとう響きます。ドラムを叩くということは、直接床にも振動が伝わるわけです。つまり、床対策をしないと下の階に振動が思い切り伝わってしまいます。
一軒家ならそれほど問題にはならないかもしれませんが、集合住宅なら環境騒音でトラブルになることも考えられます。重量鉄骨のしっかりとした建物であったとしても、床対策はマナーだと言えます。
ドラムセットを設置する場所には、必ずドラム専用の防音マットを用意するようにしましょう。たったこれだけのことで、振動が下の階に伝わりにくくなります。もちろん、電子ドラムの場合でも専用のマットは必須アイテムです。ドラムを購入する際は、店員さんに相談するようにしましょう。
ドラムセットの大きさをチェック
仮にカタログなどで、好みのドラムセットが見つかったとします。しかし、自宅の部屋に設置できない大きさだったら意味がありません。ドラムセットを購入する際は、部屋の大きさに合うサイズのものを選ぶようにしましょう。
部屋の大きさにどうしても合わない場合は、スネアドラムとバスドラム、ハイハットシンバル、フットペダルなど、最小限のパーツを用意するか、比較的場所をとらない電子ドラムのセットを選ぶという方法もあります。
シェルの材質で選ぶ
まドラムは和太鼓と同様に、胴に当たる部分があります。ドラムでは、この胴に当たる部分をシェルと呼びます。ドラムのシェルは、木材や金属、カーボン、アクリルなどがあり、それぞれの材質により音色が異なります。
木材では、メイプル、バーチ、ブビンガ、マホガニーがあり、金属では、スティール、アルミ、ブラス、コパー、チタンなどがあります。
素材によってはコストが掛かる場合もあるので、この選び方が100%正しいというわけではありませんが、それぞれの素材の違いを把握することも大切だと言えます。初心者の方で、素材が気になる方は、楽器屋さんで相談することをおすすめします。
ドラムセットの価格で選ぶ
ドラム初心者の方でドラムセットを購入する際は、予算の設定が極めて重要です。初心者用にメーカーが製造しているドラムセットは、安いものだと3万円程度のものもあれば、20万円を超えるものまであります。
ちなみに、価格が安いから悪く、価格が高いから良いというものではありません。使用する材質によって、価格は大きく違ってくるものです。ただ、今後ドラムをずっと続けていくかどうか不安な場合は、最初から高額なモデルを選ぶのは避けた方がよさそうです。
先にお伝えしている通りで、ドラムは好みのパーツを足していくことが可能なので、初心者の方は、低価格でもしっかり練習ができてコスパの良いドラムセットを選ぶようにしましょう。
では、おすすめのドラムセットを見ていくことにしましょう。
おすすめのドラムセット5選
ZENN ZDS3000II
おすすめのドラムセット5選。最初に紹介するドラムセットはZENNのZDS3000IIです。
ZDS3000IIは、入門者用のドラムセットとしてベストセラーの商品で、バスドラム、フロアタム、タム、スネアのドラムセットに、ハイハットインバル、クラッシュシンバル、ライドシンバルといった、基本のシンバルがはじめからセットに含まれています。
もちろん、スネアスタンドやハイハットスタンド、ストレートシンバルスタンド、ブームシンバルスタンド、バスドラムペダル、ドラムスローン(ドラム用の椅子)、タムホルダーも付属します。
さらに、チューニングキーとスティック、14″用リングミュート(スネア用)も付いて、値段は¥38,000前後と驚愕のコストパフォーマンスです。ネット上の口コミなどでは、シンバルに関するネガティブなコメントを見かけますが、あくまでも練習用と割り切れば、問題なく使用することはできます。
どうしてもシンバルが気になる場合は、別のメーカーのシンバルを購入するかたちにはなりますが、そのようにしたとしても、このドラムセットはお買い得ですし、練習用として使用する分には十分だと言えます。
- ドラム演奏に必要なすべてをまとめたフルドラムセット
- チューニングキーとスティック、14″用リングミュート(スネア用)まで付属
- コストパフォーマンスに優れた初心者向けドラムセットの定番
国内正規品 ZENN ゼン ドラムセット ZDS3000II BLACK ドラムセット
PEARL RT-5124N Rhythm Traveler Light
おすすめのドラムセット5選。続いて紹介するドラムセットはPEARLのRT-5124Nです。
パールのリズムトラベラーは、その名の通り、持ち運びに便利で、非常にコンパクトなドラムセットです。そして、同ドラムセットの魅力は、何と言ってもセッティングのし易さと、適度な音量です。しかも、音はドラム専門の老舗であるパールらしい明るい音色なのがポイント。
気になる方は楽器屋さんで実際に叩かしてもらいましょう。コンパクトな見た目からは想像できない音の大きさに驚かれると思います。リズムトラベラーは、自宅での練習はもちろんですが、ドラムセットそのものがコンパクトなため、結婚式や披露宴、宴会などでも活用できます。
また、ストリートライブなどでも十分なパフォーマンスをすることができます。同ドラムセットの値段は、¥45,000前後で、見た目もかわいらしく、場所を取らないため、路上などでパフォーマンスされる方にはもってこいの商品です。
- 持ち運びに便利でコンパクトな設計
- 組み立ても容易でセッティングしやすい
- 適度なボリュームで自宅練習やストリートライブにもってこい
- ドラムの老舗パールならではの明るい音色
LUDWIG BREAKBEATS QUESTLOVE
おすすめのドラムセット5選。続いて紹介するドラムセットはLUDWIGのBREAKBEATS QUESTLOVEです。
同ドラムセットは、LUDWIG社とThe RootsのドラマーであるQuestlove氏とがコラボレートしてデザインされたモデルで、全体的にコンパクトに仕上げられていながらも、キレのあるサウンドが特徴です。
値段も¥50,000前後なので、かなりお買い得なドラムセットですが、注意点としてシンバル、スタンド、キックペダルは別途購入しなければいけません。
しかし、見かたを変えれば、自分の好みのシンバルを選ぶことができるということなので、気になる方は、楽器店で実際に叩かしてもらって、店員さんと相談しながら選べば良いと思います。
あと、同ドラムセットは、お伝えしている通りコンパクト設計なので、通常サイズのドラムよりも持ち運びが容易で、組み立てもそれほど時間がかからないため、自宅の練習用としてだけでなく、ちょっとした催しや路上ライブなどにもピッタリです。
- クエストラヴとのコラボレーションモデル
- 省スペースを実現したコンパクト設計
- コンパクトながらもキレのあるサウンド
- 持ち運びが容易なので路上ライブなどにもおすすめ
Pearl EXX725S/C
おすすめのドラムセット5選。続いて紹介するドラムセットは、PearlのEXX725S/Cです。
EXX725S/Cは、ドラム演奏に必要なものがすべて揃ったドラムセットで、値段は¥85,000前後となっていて、ドラムの老舗メーカーであるパール伝統の明るい音を楽しむことができます。シェルにはマホガニーとポプラが使用されているのもポイントです。
また、付属のスタンドは、パールの830シリーズを採用していて、シンバルやスネアの微妙な角度調整ができるユニロックシステムを搭載しているので、セッティングがし易くなっています。
さらに、ドラムペダルには、シングルチェーンを採用したDemon Styleのペダルが装備されているので、初めのドラムセットとしては文句の付け所がありません。もし、金銭的に余裕があるようなら、このドラムセットをおすすめします。
同ドラムセットが気になった方は、ぜひ楽器屋さんで叩かしてもらってください。
- ドラム演奏に必要なすべてをパッケージングしたフルセット
- ユニクロックシステム採用の830シリーズのスタンド
- シングルチェーン採用のDemon Styleのペダルを装備
- ドラムの老舗パールならではの明るい音色
YAMAHA RYDEEN RDP2F5
おすすめのドラムセット5選。最後に紹介するドラムセットは、YAMAHAのRYDEEN RDP2F5です。
同ドラムセットは、初心者の方はもちろん、中級者以上でも安心して使用できるようにデザインされた、ヤマハのエントリーモデルです。
内容は、20インチのバスドラムに14インチのフロアタム、12、10インチのタム、14インチのスネア、タムホルダーのセットとなっていて、値段は¥45,000前後とかなりリーズナブルです。
注意点としては、シンバルとハードウェア(シンバルスタンド、ハイハットスタンド、スネアスタンド、ドラムペダル、ドラムスツールなど)が別途必要になります。
ただ、基本的なシンバルとハードウェアを揃えても¥100,000前後なので、ドラムをずっと続けていきたいという方にはぴったりのドラムセットだと言えます。
- 初心者から中級者以上まで使用できるエントリーモデル
- ステアを含めた本格的なシェル構成
- 色は5色から選ぶことができる
まとめ
「初心者におすすめのドラムセット5選」と題しましてお伝えしてきましたがいかがでしたでしょうか?ドラムセットは大きな音が出てしまいますので、防音対策がどうしても必要になります。ドラムを思い切り叩ける環境であるならば、今回紹介したドラムはどれもおすすめできるものばかりです。
中には低価格のドラムセットもありますが、実際のところ、ドラムは高額なものが優れているとは言えません。もちろん、材質には高価なものを採用したモデルもありますが、音色や叩いた時の感触などは、ドラム奏者の好みに左右されます。
そして、低価格であったとしても、素材そのものが悪ければ論外ですが、ちゃんとした素材を採用しているモデルであれば、あとは好みの問題でもあります。初心者の方は、いきなり高額なモデルを購入する必要はありません。
本気で、ドラムを続けていけるようになったら、少しずつ必要なパーツを揃えていくようにしましょう。皆さんの参考になればうれしいです。
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