ヘヴィでリッチな低音を楽しむ!7弦ギターの魅力

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ヘヴィでリッチな低音を楽しむ!7弦ギターの魅力

近年のヘヴィ・ロック、HR/HMなどで重低音を活かした音楽には当たり前になりつつある「7弦ギター」。

7弦ギターは低音域が拡張されている分、通常の6弦ギターには無い可能性のある楽器です。
重低音&歪み多めのヘヴィな音楽に限らず、ジャズなどの音楽での使用例もあります。

一部の音楽では当たり前な7弦ギターも、アマチュアギタリストにはまだまだ手を出しづらい楽器でもあると思います。
今回は7弦ギターについての基本事項や、おすすめのメーカーなど簡単にご紹介します。

■7弦ギター事始め
7弦ギターはその名の通り、通常の6弦ギターに低音弦を1本追加したものです。

追加される弦のチューニングは「ローB」が現代ではレギュラーになっています。
音程関係は通常の6弦ギターの2弦(B)と1弦(E)と同じ4度音程が低音側にも増えている状態なので、慣れればそこまで違和感なく演奏できます。

弦が増える分、ナット、ブリッジ、ピックアップ、フレットなどのパーツ類はサイズが大きい専用のものになりますが、音の出る仕組みは変わりませんのでアンプへの接続など、通常の6弦ギターと同じように使用できます。

■最初は違和感あり?
7弦ギター初心者が最初に戸惑うのが、ネックの幅が広いことによる演奏性の違いでしょう。
弦が1本増える分ナット幅も広くなりますので、同じシェイプのギターであれば単純にネックが広く拡張され、最初は弾きにくさを感じるものです。

実はナット幅だけを見ると通常の6弦クラシックギターの方が少し広いぐらいなのですが、新しい音程の弦が増えていることもあり、7弦特有の感じに慣れるまでは多少時間を要するかもしれません。

しかし多くの7弦使用者が「慣れれば全く問題ない」と言っていますので、そこまで心配する必要はありません。

■7弦ギター使用のメリット
ここでは実際に7弦ギターを使用する上での利点や活用しやすいシチュエーションなど見てみます。

1. コピーに7弦が必要なバンドが増えている
日本発で世界中で人気のある「BABYMETAL」というメタルダンス・ユニット。
このバックバンドには大村孝佳さん、藤岡幹大さんなどの超テクニカル・実力派なプレイヤーが参加しておりファンが多いのは有名ですね。

このBABYMETALの映像を見ると、普段は6弦ギターがメインであるギタリスト達の7弦ギター使用率が高いのが分かります。
冒頭にも述べた通り、近年のロックシーンではよりヘヴィな重低音を求めて7弦ギターを使用することが当たり前になってきています。

特に7弦のツインギターを要するニュー・メタルバンド「KORN(コーン)」の成功以降その流れが顕著になっており、「そもそもコピーするのに7弦ギターが必須」な状況も近年では珍しくありません。

ヘヴィな音楽に興味がある方であれば、とりあえず一本7弦を持っておくというのは全然ありでしょう。

2. テクニカル派向きのギター
7弦ギターは弦が1本多くナット幅も広い、さらに深く歪ませた音で使用されることが多いことから、不要弦のミュートの技術が不可欠になってきます。

このことから、シンプルにオープンコードでジャカジャカストロークしたり、ミュートを効かせたチャキチャキとしたカッティングが6弦ギターよりもかなり難しくなります。

その分単音主体のリードギター、テクニカルなソロプレイ、ダウンストロークでのヘヴィなパワーコードなど、近年のテクニカルなプレイを要する音楽にはピッタリです。

3. 7弦ならではの可能性を楽しむ
単にヘヴィな音を楽しむだけではなく、音域が拡張されることでプレイの幅が広がります。

例えば低音弦中心のコードヴォイシングを探ることで今までは体感したこのない響きを発見できたり、ギター1本で歌の伴奏をする時など、ベースの音域をカバーできるためサウンドが広がります。

7弦のチューニングをドロップAにしたりCに上げたり、オープンチューニングまで含めると可能性は6弦ギター以上に無限にあります。

また単音プレイでも、7弦をフルに使ったワイドスウィープなど、6弦ではできないプレイも可能になり追求できる領域はとても広いです。

■7弦ギターのデメリット
ここでは7弦ギター使用における難しさや注意点を見てみます。

1. ベースと音域が被る
7弦ギターではレギュラーチューニングでローBまで音が出ますが、この音は4弦ベースの3弦2フレットと同じ音です。そう考えるとかなり低い音です。
この状態ではギターとベースが同じ音域で演奏することになり、せっかくの7弦ギターの良さを活かせませんし、アンサンブル上での譲り合い(7弦ギターで6弦までしか使わないなど)が必要になってきます。

ですのでギタリストが7弦ギターを使用するバンドでは、ベーシストも大抵5弦ベースなどの多弦ベースを使用するか、チューニングを下げてより低音域をカバーするようにしています。

シチュエーションによっては7弦の良さを活かせないことがあるので注意が必要です。

2. 演奏性や運搬性に慣れが必要
先にも少し触れましたが、7弦ギターのワイドなネック幅は演奏に慣れが必要で、6弦ギターでは当たり前のことが出来ないこともあります。

例えばネック上から親指を出して低音弦をミュートなど、かなり難しくなると思われます。
これが7弦でコードストロークやカッティングが難しい理由の一つでもあります。

その分ストラップを下げて演奏することも難しくなるため、見た目にこだわるために7弦を避けるということもあります。

また同じシェイプ・木材のギターであればネックやパーツなど各部が大きくなる分重量も増しますし、専用のケースでなければ収まらないなど、演奏中だけでなく持ち運びの快適さという点でも検討が必要です。

■ヘヴィな音楽にとどまらない7弦の可能性
実は7弦ギターの歴史は古く、ジャズギターでは1940年代前後とかなり古くから使用例があります。

この分野の先駆者がGeorge Van Eps(ジョージ・ヴァン・エプス)氏で、7弦ギターを使用したソロギター演奏で後進に大きな影響を与えました。
現代のプレイヤーがこのジョージ氏の残した教則本に取り組むほど、コードワークのアイディアが深く現在進行形で研究対象にもなっています。

他にジャズの7弦プレイヤーでは、ジョージと同じような世代で1940代から現在まで活躍しているBucky Pizzarelliと、その息子のシンガー/ギタリストのJohn Pizzarelliが有名です。

彼らの特徴として、7弦を「ローA」にチューニングしていることで、これはジャズの7弦ギターでは比較的一般的なようです。
7弦と5弦が同フレットでオクターブになるため、5弦ルートのコードを弾くときに簡単にベースを拡張できるのが利点ですね。

ジャズにおいて決して7弦ギターがスタンダードという訳ではありませんが、歌や管楽器とのデュオ、ギターデュオなどの演奏形態も多いジャズのフィールドでは特有の優位性を持っています。

■オススメの7弦ギターメーカー
現在はヘヴィ・ロックでの7弦ギター使用が一般的なこともあり、かなり多くのメーカーがレギュラーラインに7弦を用意しています。
ここでは代表的なメーカーに絞っていくつか簡単に紹介します。

1. Ibanez
ロックギターにおける7弦ギターにおいて先駆者と言えばスティーブ・ヴァイ。
彼の7弦シグネイチャー・モデル「Universe」を開発したIbanezはこの分野をリードするメーカーと言えます。
先に名前を挙げたバンド、KORNのギタリスト達もダウンチューニングしたIbanezの7弦を使用していますね。

HR/HMでおなじみのRGシリーズやアーティスト・シグネイチャーの7弦はもちろんですが、フルアコのArtcore Expressionistにも7現モデルがあり、懐の広さが伺えます。

2. .strandberg*
ストランドバーグと呼ばれるスウェーデンのメーカー。
人間工学に基づいた独特な設計・デザインを持つギターを生産しており、そのプレイアビリティの高さや取り回しやすい軽さとコンパクトのシェイプなど、独自性とハイクオリティで注目を集めています。

そしてこのストランドバーグの定番機種がBoden7という7弦ギターのシリーズで、近年の7現プレーヤーの間で高い支持を集めており、「7弦ギターの新スタンダード」になり得るメーカーと言えるでしょう。

3. Eastman
ジャズ系の7弦ギターに興味のある方には、通常は高価な単板削り出しのアーチトップギターをリーズナブルに提供しているこのイーストマンがオススメ。

このイーストマン、Webサイトのカタログには現在載っていませんが、7弦仕様のフルアコをリリースしています。
7弦のアーチトップギターはほとんど見かけない珍しい楽器ですが、イーストマンは単板削り出しの高いクオリティながらお値段も手がでないほど高価ではありません。

ジャズに限らず、ソロギターやギター1本での歌伴など、アコースティックな演奏での可能性が広がりますので興味のある方はぜひ。

■まとめ
ここまで7弦ギターについて簡単に見てきました。

近年のヘヴィな音楽ではもはや必須とも言える状況になってきていますので、1本持っておいて損はないでしょう。
アコースティックな音楽指向の方も、弦が1本多いことによる可能性やメリットを追求してみると、かなり面白い楽器です。

ぜひ一度お試しください。

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