小型アンプの名機 フェンダー チャンプ の特徴

エレクトリックギターはアンプとギターでひとつの楽器と考えられます。どうせギターを鳴らすならいい音で鳴らしたいものです。そこで今回はフェンダーのアンプの中でももっとも歴史があり、ライブで使えるのに小さくて家にも置いておけるチャンプを研究しましょう。

目次

  • フェンダーチャンプとは
  • チャンプのサウンド
  • チャンプのバリエーション
  • その他チャンプについて
  • まとめ

フェンダーチャンプとは


元々フェンダーを立ち上げたレオ・フェンダーはラジオ修理のエンジニアだったこともありアンプ設計が好きで得意だったようです。そのためフェンダーは最初からギターとアンプを開発、発売していました。1948年にチャンピオン600/800という1ボリュームだけのアンプがフェンダーから登場します。これはTVフロントという昔のテレビのような外観のもので3ワットでした。

その後1950年代半ばにはフェンダーアンプはツイードのナローパネルになり60年代にはブラックパネル、60年代後半からはシルバーパネルとなり1982年に生産終了となります。その年によりモダンなサウンドが出せるようになったスーパーチャンプが登場、様々な派生商品を生み出しながら現在に至っています。

いずれにしてもチャンプというアンプは小型で低出力、持ち運びもしやすいがフェンダーのサウンドが出るという優れたアンプといえましょう。

チャンプのサウンド

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1957年登場の初代チャンプは5ワットで6インチのスピーカーを駆動するものでした。フェンダーのアンプというとブラック/シルバーフェイス期のツインリバーブのイメージがあるのでギラっとしたトレブリーかつクリーンなサウンドを予想すると大間違いで、この頃のフェンダーアンプはかなりダートな音がします。

チャンプも同様でボリュームを半分まで上げたあたりからだんだん歪んできてフルテンにするとガッツのあるオーバードライブが得られます。コントロールはボリュームだけですので自分のギターの音作りをどうしたらよいかわからない人にも扱いやすいアンプです。またバッキングのときはギターのボリュームを絞ってクリーン~クランチ、ぐいっと上げるとオーバードライブでリードサウンドというアンプコントロールの基本中の基本を学ぶこともできる最高のアンプです。

ブラック/シルバーフェイス期のチャンプですが、オークションなどで市場に出回っているのはシルバーフェイスが多いようです。この頃になるとバス/トレブルのトーンコントロールが付きつまみは3つになりますが出力は6ワットとなります。非常にルックスがよく重さも10kgですのでがんばってライブ会場に持っていきたいアンプです。

この頃トレモロ機能をつけたヴァイブロチャンプも登場しています。この時期のチャンプですがサウンドはフェンダーアンプの低迷期なので心配なところもありますがコンプレッションの利いたパンチのあるサウンドで心配にはおよびません。やはりボリュームを半分くらい上げると歪んできます。この歪みがロックンロールには最適と言えます。

真空管アンプはボリュームを上げると歪むわけですが、逆に言うと歪ませるには小出力のアンプの方が有利になります。大出力のアンプを歪むまでボリュームを上げられる局面は少ないのでチャンプのようなアンプだと気軽にオーバードライブをさせられるといえます。とはいえ家で弾くとボリューム1でも大きな音がするので(さすがはチューブアンプ)住宅事情を考えて苦情が来るような状況でしたらスタジオで実験しましょう。

このようにチャンプはクリーントーンからクランチーなサウンドまでシンプルなコントロールで実現できますのでありとあらゆる音楽にマッチするといえます。

チャンプのバリエーション


前述したツイードチャンプ、ブラック/シルバーフェイスの無印チャンプの他にもヴァイブロチャンプ、スーパーチャンプなど派生モデルがあります。スーパーチャンプはハード化するロックミュージックの要請を受けてポール・リベラが設計したものですがそれまでのチャンプとは違い10インチのスピーカー、18ワットそして2チャンネルと完全にハードロックに対応する実践仕様となっています。

わたしたちが想像するフェンダーのサウンドから凶悪に歪むヘヴィなディストーションまで対応する優れたものです。

その後2000年代に入りチャンプにはDSPを搭載したモデルが登場します。これらのアンプにはXDという文字がついていますが真空管を使ったプリアンプとデジタルのプリアンプを切り替えて使え、練習からレコーディング、ライブとより様々な現場に対応できるものとなってヒットしました。またツイードアンプも一時期復刻させており完全な再現にファンは喜びました。

その他チャンプについて

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チャンプといえばエリック・クラプトンがデレク・アンド・ザ・ドミノスの「レイラ」でヴァイブロチャンプを使用しているのが有名です。これだけでチャンプを所有する理由ができるというものです。

5ワットという出力を皆さんはどうお考えでしょう。音が小さいんだろうなあ…とお考えだと思います。チャンプは名高い5F1という回路を採用していますがその音色の良さはさておきとにかく音が大きいアンプでして、ライブで十分使えることをここに記しておきます。

よく「ライブだと100Wないと…」などという話も聞きますがマーシャルをライブハウスで鳴らし切ることは不可能です。ツインリバーブにしても同様です。アンプというのはある程度の出力を出してスピーカーだけではなくキャビネットも振動させていい音が出るわけで、そういった意味でチャンプのような小出力アンプはその性能をフルに出せる素晴らしいチョイスだと考えます。

細野晴臣が日比谷野音で使っていたアンプがシルバーフェイスのチャンプだったことをここに付け加えておきましょう。

まとめ

どの時期のチャンプも手に入れて後悔はしない非常に素晴らしいアンプです。クリーントーンも美しく、もちろんオーバードライブサウンドも絶品、操作がシンプルなのでギター側での音色コントロールが容易、チューブアンプならではの真空管を取り替えて音色の変化を楽しむことができる、なによりフェンダーのアンプを持っているということがミュージシャンとしてのプライドをくすぐりますのでぜひとも一度は持っていたい機種だといえましょう。

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