フェンダー テレキャスターカスタム の特徴

面白いもので一時期フェンダーはギブソン、ギブソンはフェンダーのギターを非常に意識したモデルを発表します。フェンダーはイギリスでブームとなったレスポールとマーシャルの組み合わせを見てハムバッカー搭載のギターの発売を考えます。そこで登場したのがテレキャスターカスタムでした。今回はそんなテレキャスターカスタムを見ていきましょう。

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目次

  • テレキャスターカスタムとは
  • テレキャスターカスタムの特徴
  • テレキャスターカスタムのサウンドと使用プレイヤー
  • まとめ

テレキャスターカスタムとは


60年代後半になるとロックギターの世界は大音量かつ歪んだものとなりました。筆頭はブルースブレイカーズに所属していたエリック・クラブトンで彼はレスポールとマーシャルの組み合わせで非常にファットでダートなサウンドを奏でていました。ザ・ビートルズのジョージ・ハリスンもかっこよくレスポールを使っていました。

一方フェンダーはクリーンでシャープなサウンドが売りでしたが時代の要請とずれてきた感じがありました。そういう事情でテレキャスターのフロントピックアップをハムバッカーに改造するミュージシャンが出てきました。

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有名どころではピンク・フロイドデイブ・ギルモアアンディ・サマーズなどです(サマーズのテレキャスターは入手した時点で改造されていた)。そこでフェンダーはギブソンの太い音を出すモデルの開発に取り掛かります。Telecaster Customはフロントにハムバッカー、リアは従来通りのシングルコイルという組み合わせで72年に登場しました。

通常のテレキャスターより高価であったテレキャスターカスタムは1981年まで製造され、現在はリイシュー版がリリースされています。

テレキャスターカスタムの特徴


なんといってもハムバッカーがフロントに搭載されているのが目玉でそれに伴いピックガードの形状もやや複雑なものとなっておりルックスはかなりテレキャスターとは異なっています。さらによく見るとボディ形状もやや変わっています。

ネックなどのプロファイルは元々のテレキャスターを踏襲しており25.5インチのスケールでメイプル指板でした。ローズウッド指板のモデルも存在します。

ボディはアルダーで重厚なサウンドを出すために目の詰まったものを使用したため4キロ越えの非常に重たいギターとなりました。ただしサウンドは結果的にへヴィなものとなり目論見は成功しています。

ネックジョイントが70年代のフェンダー特有の3点止めでネックの角度を調節するマイクロティルトアジャストメントが搭載されています。これは当時非常に画期的な機構でした。さらにトラスロッドの調整はそれまでボディ側で行なっていたのをヘッド側に変更、その形状からバレットと呼ばれるものとなり調整に関しては楽になっています。

ポイントはフロントにあるハムバッカーでこれはギブソンのPAFなどを設計したセス・ラバーの手によるものでワイドレンジハムバッカーと呼ばれています。これをフロント側に、リアは従来通りのシングルコイルを採用しています。

ピックアップセレクターは3点のトグルスイッチでコントロールはまさにギブソン的な2ボリューム2トーンとなっています。従来の1ボリューム1トーンですとピックアップの出力の関係によりピックアップを切り替えた際のボリュームが違いすぎるのでこのコントロールにしたと考えられます。

ボリュームとトーンのノブはそれまでのドームタイプからソンブレロタイプに変わっておりこれがかなりテレキャスターカスタムのルックスに影響しています。

色はブラックとサンバーストでしたが後にブロンドやナチュラルなどのバリエーションも登場します。現行モデルは黒とサンバーストです。

テレキャスターカスタムのサウンドと使用プレイヤー


テレキャスターカスタムは高価だったこともありあまり売れなかったギターですがワイドレンジハムバッカーの鋭くも太いサウンドが一部のミュージシャンに愛好されました。その筆頭は泣く子も黙るザ・ローリングストーンズキース・リチャーズでしょう。彼は黒いテレキャスターカスタムをチャック・ベリー直系のスタイルでかき鳴らしました。

まだまだ大物がいます。U2ジ・エッジがやはりテレキャスターカスタムをプレイしています。『ヴァーティゴ』のビデオクリップでも黒いカスタムを砂漠でかっこ良く弾いている姿が確認できますがそのシャープなカッティングにはしびれます。

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最近ですと最新型ロックバンドといってよいブロック・パーティラッセル・リサックもテレキャスターカスタムを愛用しています。パンクを通過したニューウェーブの現代的展開といえる彼らの音楽ににシャープなカスタムのサウンドがマッチしています。

このようにテレキャスターカスタムは大物が使うギターというイメージがありますがフェンダーワイドレンジがそもそも元々のフェンダーサウンドをそこねないような設計になっているため幅の広いサウンドメイクが可能となっています。しかしながらやはり真価を発揮するのはそのハムバッカーのパワーを活かしたロックンロールということになりましょう。

まとめ

このギターはなんといってもそのルックスがかっこいいので持っているだけでロックスターになったような気分になれます。

サウンドもギブソンとフェンダーの良いところを取り入れたものでシャープなカッティングからファットなリードサウンドまで1本でカバーできるのでギターボーカルの人はもちろんバリバリリードプレイを展開する技巧派のプレイヤーも大満足のモデルといえます。

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