ストラトキャスターや、レスポール、テレキャスターそしてSGはロックギターの代名詞だと言われますが、今回とりあげるギブソンSGは60年代に発表されたモデルです。
つまり、ロックという音楽ができた後に登場したのはこの4つの中ではSGだけなのです。まさにロックのために生まれてきたギター、ギブソンSGの魅力に今回は迫ります。
目次
- Gibson SGとは
- Gibson SGの特徴
- Gibson SGのサウンド
- Gibson SGを愛用するギタリストたち
- まとめ
ギブソンSGとは
1960年にレスポールの売り上げは低迷、ギブソンはテコ入れを図ります。それまでとは違い平板のボディは、レスポールジュニアに引き続き弾きやすいダブルカッタウェイを採用、ハイフレットへのアクセスを容易にするためにネックジョイントの位置を変更したモデルを作り、新しいレスポールとして投入します。
この新しいレスポールは当のレス・ポール氏が関与しておらず本人からレスポールの名前を取り下げてくれという要望もあり、SGという名称になります。レスポールの正統的な後継モデルですが名前は使えなかったのです。
SGという名称は、『ソリッドギター』という意味です。大胆なネーミングです。
Gibson SGの特徴
ギブソンSGの特徴はまず薄い1Pマホガニーボディ、24.75インチスケールでやはり薄くなったマホガニーネック、22フレットでのネックジョイントという部分によく現れています。ボディの薄さもあり非常に軽量で弾きやすいギターとなりました。『世界でもっとも速いネック』というキャッチフレーズが使われ、ギブソンとしても速弾きを意識した設計だったのでしょう。
ピックアップはハムバッカー(PAF)あるいはP90を2基を搭載し、ブリッジはチューンOマチック、あるいはビブラートテイルピース仕様でした。ビブラートユニットもマエストロやビグスビーなど色々なバリエーションがありましたが、それぞれルックスにも多大な影響を与えています。
レスポールの正統後継モデルとしてデザインされたSGには非常に多くのバリエーションが存在します。オリジナルのSG、SGカスタム、SGスペシャル、SGジュニアなど様々に展開されましたが、クワガタのようなダブルホーンのボディは一貫して採用されており、レスポール、ストラトキャスター、テレキャスターと並びエレキギターの形状のスタンダードのひとつなっています。
ギブソンは徹底的にレスポールの欠点を改良しており、サウンドはそのままに軽く弾きやすくなっています。ハイポジションへのアクセスが容易なため、ロック界における弾きまくりの時代に完全に対応しており人気が沸騰したのも理解できます。この時代のギターとして、最高音に指が届くのは感動ものです。
発売当初はレスポール同様のピックアップをボディに搭載しピックガードも小さかったのですが、66年からはピックガードが大型化しピックアップはそれに吊るす形に変更されました。現在も人気のある61年のリイシューはスモールピックガードのルックスが好きな人が多いことを物語っています。
クリームやTVイエロー、ペルハムブルーなど様々なカラーが存在しますが、やはりSGといえばチェリーの人気が非常に高いです。
Gibson SGのサウンド
SGのサウンドはそのシンプルなマホガニーボディとパワフルなハムバッカーにより従来のレスポールのサウンドと比較すると傾向似ていますがやや軽め。ボディサイズやピックアップの位置も関係してこのようなサウンドになっていますが、低音域が少ないぶん中音域には厚みがあり、それこそがSGの大きな個性となっています。
フェンダーギターに見られるようなカントリー的なサウンドは不得手ですが、ジャズの流れをくむレスポールから完全にロック用のギターとして設計にされ直したSGはまさにガッツのある太いサウンドを実現しています。
SGを愛用するギタリストたち
ストラトやテレキャスター、レスポールと違い最初からロックに照準を合わせたギターですのでその時代には愛好者が非常に多く存在します。
SG使いの著名ギタリストといえばAC/DCのアンガス・ヤング。常にSGを使い、キャッチーでハードなリフを奏でています。またハードロックで忘れてはならないのはブラックサバスのトニー・アイオミ。彼もまたデビュー当初からずっとSGを使っている巨人の1人です。
天才、フランク・ザッパもSGを使用するビッグネームの1人です。あの流暢な計算されたプレイはSGで奏でられていました。彼の息子ドゥイージルもまたSGを使用しています。
エリック・クラプトンもクリーム時代SGをつかっていましたし、アンディ・サマーズも60年代ダンタリオンズ・チャリオット時代ホワイトのSGを弾いていました。忘れてはならないのはザ・ビートルズのジョージ・ハリスンも中期のサイケ時代にSGを多用しており美しいディストーションギターを聞かせてくれます。
ブリティッシュ勢ではピート・タウンゼントもSGを使っていた人の1人で70年前後のライブで使用しているのが確認できます。
アメリカの伝説的バンド、ドアーズのロビー・クリューガーもSGファンで有名です。そして颯爽と登場した天才、デレク・トラックスも変則チューニングを駆使した超絶技巧をSGで聞かせてくれています。
忘れてはいけないのがSGのダブルネックギター。12弦と6弦を1つのギターにしたものですが、レッド・ツェッペリンのジミー・ペイジの代名詞のようになっています。イーグルスのドン・フェルダーもSGダブルネックであの美しい『ホテル・カリフォルニア』のイントロをライブで弾いていました。
一方ジャズ界でもSGは好まれており主に白人ギタリストが使っています。有名どころではジョン・アバンクロンビー、ビル・フリゼール、ジョン・マクラフリンなどいずれも超絶技巧系の面々です。まだまだたくさん使用ギタリストはおりますが、ギブソンSGは一筋縄ではいかないギタリストを魅了してやまないギターです。
まとめ
このようにギブソンSGはロックをやる上で欠点がまったくないまさにロックの申し子のようなギターといえます。かっこよく弾きやすく軽く音が大きい。これ以上に何を求めるというのでしょうか。
テクニカル系の人もギターを弾きながら歌う人も、もちろん軽いので女の子にもぴったりのこのギブソンSG、色々なバリエーションがありますので、きっとお気に入りの1本が見つかることと思います。
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