ギタリストが欲しい、アコースティックギターの2大人気ブランドと言えば「ギブソン」そして「マーチン」。エレキギターでも有名な「ギブソン」は言うまでもなく、一方の「マーチン」は、「いつかはマーチン」と言われる憧れの高級ブランドでもある。そんな「マーチン」のアコースティックギターについて特徴をみていこう。
目次
- アコースティックギターの歴史
- マーチンの有名モデル
- マーチンの型番
- まとめ
「アコースティックギターの歴史」
マーチンの歴史は現在目にする、いわゆる「アコギ」の歴史そのもの。琵琶などがいい例だが、実は意外にも、アコースティックギターのルーツは東洋からもたらされたと言われている。その中でも特に中近東のアラビア商人がヨーロッパ、主にスペインにギターの先祖を持ち込んで、様々な変化を遂げたと考えられている。これが現代で「クラシックギター」と呼ばれている楽器の原型。
「クラシックギター」とはガット弦やナイロン弦を張ったアコースティックギターの一種。その名の通り、クラシックやジャズ、ボサノヴァ等のジャンルで使われることが多く、また、楽器そのものは個人制作のものが人気を集めているので、よほどの専門店でも無い限りクラシックギターを目にする機会は少ないだろう。
一方ドイツ東部で楽器製作に携わっていたマーチン一族のうち、フレデリック・マーチン氏が1833年にニューヨークに渡り開発したギターが現在もっともポピュラーなアコギ、「フォークギター」。マーチンのヘッドロゴに入っている年号はフレデリック氏がギター製作を始めた、記念すべき年なのだ。
ちなみに「フォークギター」は和製英語。英語では「Steel-string acoustic guitar」と言って、文字通り、スチール弦が張られているのが特徴。他にも見た目の特徴としては、クラシックギターのネクが19フレットなのに対して、21フレット。他には、ピック弾きの際の傷が付くのを防ぐために、サウンドホールに沿って、ビックガードが貼付けられていることが多い。
「マーチンの有名モデル」
多くのメーカーやクラフトマンがマーチンの開発したギターの構造を研究することで、マーチンスタイルを継承したギターを世に送り出している。ヤマハ、ヤイリ、モーリス(モリダイラ)と言った、国内の有名メーカーもマーチンのコピーモデルの生産からキャリアをスタートさせているのだ。このように、世に出回っている多くのアコギはマーチンのモデルをベースに造られているので、マーチンの特徴を覚えておいて損はない。
そんなマーチンのギターだが、実は、見た目と型番でそのモデルが大体わかるようになっている。覚えておきたいのは特に人気の高いD-シリーズ、「ドレッドノートシェイプ」と、もう一つ、OOO-シリーズ「オーディトリウム(通称トリプルオー)」。
ドレッドノートとは、初生産当時に最大級の戦艦だったイギリス軍艦「ドレッドノート号」が由来。日本語でも「超ド級」の「ド」の語源になっている。つまり、それだけ大きなボティーを持ったギターとして有名なのだ。音量を稼ぐための大きなボディなので、力強いサウンドと音量が人気を博し、今ではアコギのスタンダードとして君臨している。
トリプルオーはそんなドレッドノートと比べると小さく、ボディのくびれと薄さが特徴。スケールも13mmほど短くなっており、その分全体的に持ち易く特に日本人の体型には弾き易い造り。引き締まったきらびやかなサウンドになる傾向がある。
「マーチンの型番」
他にもOOやOMなどいくつかシリーズはあるのだが、とりあえずはこの2シリーズを覚えておけば困る事はない。ついでにD-○○やOOO-○○の後に続く、15/18/28/35/45と言った数字は楽器としてのスタイル・グレードを表している。これによって木材の種類とグレード、装飾などが変わるのだ。マーチンの中でスタンダードなのは18/28/35/45だが、D-45ともなるとその価格は90~100万円前後で販売される超高級ギター。コストパフォーマンスも含め、プロミュージシャンの中でも名機と呼ばれるているのはD-28やOOO-2の28スタイル。
エリッククラプトンのシグネチャーモデルとして発売されたOOO28ECもヒット商品になっている。とはいえ、それでも28クラスで30万円前後。お手頃なのはオールマホガニーの15クラスで、約16万円前後となっている。
「まとめ」
ギブソンと比べて、指弾きをしたときの音の暖かみはマーチンの専売特許。いつかは一本欲しい、という憧れの存在であることは間違いない。
ただし、気をつけたいのはマーチンではエレアコになっているモデルが少ないこと。ストリートミュージシャンならともかく、ライブハウスではやはりエレアコの方が便利なので、DやOOOシリーズにはピックアップを付ける工事(と予算)が必要になってくるので気をつけたいところだ。
コメント