アップライトピアノの歴史について

一般家庭でのレッスン用や、
趣味用から学校での音楽教育用まで、
広く愛用されているアップライトピアノ

グランドピアノを所有出来る人なんて、ほぼ一握りですから、
このアップライトピアノがなければ、
ピアノを始めることが出来なかった方は、
多くいることでしょう。

・・・というのも、私もそうでした。

ピアノの約300年の歴史の中で、
家庭用に普及させようとした先人のおかげで、
今私はピアノを続けられているのかなと思いながら、
この記事を書いています。

今日はそんなアップライトピアノの歴史について説明したいと思います。

アップライトピアノの誕生

アップライトピアノが誕生したのは、
ピアノの中でもだいぶ遅い方です。

1709年頃に造られた最初のピアノ、
今のグランドピアノの原型である
フォルテピアノと比べると、ずっと後になります。

1800年に、
当時普及していたクラヴィシテリウムという楽器を元に、
ジョン・アイザック・ホーキンスが製作したのが始まりと言われています。

ホーキンスは、
アメリカのペンシルベニア州にある、
フィラデルフィアという都市で製作を行いました。

そのため、
グランドピアノはヨーロッパ生まれであるのに対し、
アップライトピアノはアメリカ生まれなのです。

グランドピアノをコンパクトにして
設置しやすくしたのが始まりで、
フランス革命後のヨーロッパで、
一般家庭にピアノが広まる原動力となりました。

価格もグランドピアノに
比べて手頃であることから、
今でもピアノを習う多くの家庭では、
アップライトピアノが主流となっています。

ジラフピアノ

アップライトピアノといえば、
長方形のコンパクトなピアノですが、
現在の形になるまでは、
実はちょっと変わったアップライトピアノも存在します。

それがジラフピアノと呼ばれるピアノです。
このピアノは、アップライトピアノの原型とも呼ばれています。

ジラフは英語で「きりん」という意味で、
きりんのように背の高いピアノです。

ちょうどグランドピアノの弦より先の部分を折り曲げて、
垂直にしたような形をしていて背が高いことから、
このような名前がつけられました。

まるで今のアップライトピアノに、
ハープをくっつけたようにも見えます。

このジラフピアノの上部を改良し、
今の形状をしたアップライトピアノが完成しました。

日本初のアップライトピアノ

日本で初めてアップライトピアノが造られたのは、1900年のことでした。

日本楽器製造株式会社(現在のヤマハ株式会社)の

  • 山葉寅楠氏
  • 松山大三郎氏
  • 山葉直吉氏
  • 河合小市氏

が製作しました。

以前にも、ピアノの製造は行われてきましたが、
内部の構造は全て外国の輸入品に頼っていたのです。

以来、日本でも多くのアップライトピアノが製造されてきました。

今では、王手のヤマハカワイを筆頭に、
東洋ピアノ製造シュバイツァ技研
クロイツェルピアノ製作所など、
さまざまなメーカーがアップライトピアノを製造しています。

アップライトピアノの改良

アップライトピアノは、
グランドピアノと決定的に違う構造の部分があります。

それは、グランドピアノのように、
鍵盤から弦を伝った先のハンマー部分が、
垂直方向に動くのではなく、鉛直方向に動くということです。

そのため、ハンマーの反動と重力を生かせず、
ばねの力だけで元の位置に戻そうとすることから、
ハンマーの戻りが遅くなります。

なので、グランドピアノでは
鍵盤が3分の1戻ると次の音を鳴らすことが可能ですが、
アップライトピアノでは速い速度で連打をすると、音が鳴らなくなります

実際にアップライトピアノを持っている人は、
試してみると分かるかと思います。

この欠点をいかに改善するかというテーマで、
各ピアノメーカーは現在まで改良を重ねてきました。

そして、
グランドピアノに近い音色と機能を実現したのが、
藤井ピアノサービスという会社です。

グランフィールという名前で、
今のピアノに取り付けることも出来ます。

トリルや同じ音の連打も、
ピアニッシモ(小さく弱い音)で弾くことが出来るのです。

世界一のアップライトピアノ?

アップライトピアノは、手頃で安く、音色がグランドピアノより
劣るというイメージがありますが、高価で良質なものもあります。

中でも有名なのは、3大ピアノメーカーのひとつである、
ベヒシュタインのマイスター・ピース コンサート8モデル」です。

「キング・オブ・アップライト」「世界一のアップライトピアノ」
「アップライトピアノの形をしたグランドピアノ」などと評される、
優れたアップライトピアノなのです。

その音色は、まさにグラウドピアノに引けをとりません

まとめ

今回はアップライトピアノについて、説明しました。

アップライトピアノはその構造上、
連打性など打弦機構の性能や音響特性において
グランドピアノに引けを取る部分もたしかにあります。

しかし、狭いスペースにも置けるようになり価格も下がったことで
一般家庭へのピアノの普及に大きく貢献した歴史があります。

特に日本で子供の教育の一環としてピアノのお稽古が盛んになったのも、
アップライトピアノの出現によるものと言っても良いでしょう。

ピアノにとどまらず、アップライトピアノのような存在の出現で、
多くの人が音楽を身近に楽しめるようになって欲しいですね。

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