フェンダー ミュージックマスター の特徴

フェンダーやギブソン、あるいはリッケンバッカーはエレキギター創世記である1950年代から意欲的に多くのモデルを発売しましたが、それとは別にハーモニー、ケイなどの安いギターを作るメーカーが登場し子供用として人気を博しました。その市場に参入するためにフェンダーが投入したのがミュージックマスターでした。今回はそのミュージックマスターをご紹介します。

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目次

  • ミュージックマスターとは
  • ミュージックマスターの特徴
    • 大きく分けて2つあるミュージックマスター
    • ミュージックマスターの仕様
  • ミュージックマスターをどう使うか
  • ミュージックマスターを愛用するギタリスト
  • まとめ

ミュージックマスターとは


ミュージックマスターは1956年に登場したフェンダー初のスチューデントモデルです。当時登場しつつあった低価格ギターを製造販売するメーカーのギターが人気を博していたためフェンダーもこの市場に「ネックが短くて安い」ギターを投入することを決めました。そのひとつがミュージックマスターでした。

ミュージックマスターの特徴

大きく分けて2つあるミュージックマスター

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元々は1956年に登場したもので1ピックアップのミュージックマスターと2ピックアップのデュオソニックというラインナップでした。色はデザートサンドと呼ばれる砂漠の砂色(濃いベージュ)、ピックガードは金色のアノタイズドピックガードを採用していました。

その後ムスタングが登場するとボディがムスタングと共通になり若干大きくなります。ピックガードもプラスチックになりその代わりボリュームとトーンコントロールの部分が金属板になりました。名称はミュージックマスターIIでしたがデカールはそのままミュージックマスターでした。

ミュージックマスターの仕様


初代ミュージックマスターは21フレット22.5インチ(572mm)のスケールを採用したまさにスチューデントモデルと呼べるべき小ぶりのギターでシンプルな固定ブリッジ、ネック側にピックアップが1基、1ボリューム1トーン、メイプル指板にアノタイズドピックガードという仕様で非常に簡素なものになっています。音さえ出れば良いという考え方としてはギブソンのメロディメーカーに近いものがあります。

ミュージックマスターIIはネックスケールをオプションで選択できるようになり22.5インチ/21フレットと24インチ(610mm)/22フレットが選べました。24インチの方が人気がありました。イメージとしてはムスタングのブリッジを固定しリアピックアップとスイッチ類を取り去ったものと言えるでしょう。


ボディは流用されていたのでピックガードを外すとデュオソニック/ムスタング用のリアピックアップ・キャビティが確認できます。

ブリッジは小さな固定ブリッジでテレキャスターと似た3コマのもの、シールドを刺すジャックはどの世代も前面に配置されていました。つまみは初代が銀色の金属製、その後黒色のものとなります。ピックアップが1つしかないのでスイッチ類がないのがこのミュージックマスターの独特なルックスの特徴の1つといえます。ちょっと華奢ですがいさぎよい感じが弾いてみたいと思わせます。

ボディ材はアルダー、アッシュあるいはポプラが確認されており、ステューデントモデルらしく非常に軽量なギターとなっています。

ミュージックマスターをどう使うか


musicmasterはピックアップが1つしかありませんがこのピックアップが比較的低出力でネック側にありますがシャープなサウンドが出ます。フェンダーの設計が良かったのかシャープなサウンドと甘くメロウなサウンドが出せますがピックアップの位置の関係かトーン次第では意外と太い音も出せます。

イメージとしては60年代のものはまさにシャキっとしたフェンダーサウンド、70年代のローズ指板のものはフェンダーならではのサウンドにガッツがさらに込められたものとなっています。またサスティンが短いためギターボーカルの人が持っても歯切れのよい演奏が可能です。

外観は相当ビザールな感じでこれを持っていたらかなり目立つことでしょう。ピックアップの切り替えもしない、アームもないショートスケールのギターを弾きこなすヤツ、という個性が大事なミュージシャンにうってつけのギターといえます。

ミュージックマスターを愛用するギタリスト


このギターを使っているミュージシャンはあまりおらずやはりかなりのギターマニアに絞られてきます。有名どころではニルヴァーナカート・コバーンがダフネブルーのミュージックマスターを所有していたのが確認できます。そのギターは現在元ジェーンズ・アディクション/元レッド・ホット・チリ・ペッパーズデイブ・ナヴァロが所有していると言われています。

炎のブルースマン、ロリー・ギャラガーもミュージックマスターを現場で使っていた人でした。彼のミュージックマスターはボディがホワイト、ピックガードが黒のタイプでなんとリアにピックアップを増設しておりデュオソニック状態になっています。あのボロボロのストラトのイメージがあるロリーですがミュージックマスターも愛用していたのですね。ここでは彼特有のあまり歪まないがぶっといサウンドを奏でています。YouTubeでも確認できるのでぜひ見てみてください。

さすがに使用しているミュージシャンは少ないようですが軽量・ショートスケール・1ピックアップという構成は逆の意味でいかなる音楽にも対応できる柔軟性があると言えます。

まとめ


ミュージックマスターはデュオソニックと違い現在に至るまで復刻されていません。デュオソニックがあればミュージックマスターは要らないともいえますが(デュオソニックはミュージックマスターの2ピックアップ版といえます)このかわいくも無骨なギターが気になる人も多いと思います。

初代ミュージックマスターはヴィンテージ化して値段もかなり上がっていますが70年代のものはまだ値段がそれほど上がっていないので、1本いいギターが欲しい人はぜひ狙ってみてください。

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