私たちが一般的によく耳にするクラシック音楽はヨーロッパで発展した音楽で、バロック、古典派、ロマン派に当たる1500年頃から1900年頃までの音楽のことを指しますが、近年では、それぞれの様式や思想などを踏まえた作品も含めてクラシック音楽と呼ぶ傾向があります。
よって、それ以前の音楽もそれ以後の音楽も総じてクラシック音楽と一括りにして扱われている場合が殆どです。私たちが耳にする巨匠と呼ばれる作曲家たちの作品は、パイオニアならではの個性が際立っているものが多く、それ故に人間らしさが感じられます。
そして、美しさだけでなく、シンプルに感情移入できるそれらの作品は、時代や世代を超えて、世界中の人から愛され続けています。
そこで今回は、「誰もが聴いたことのあるクラシックの人気曲ランキングTOP20!」と題しまして、ランキング形式でクラシックの名曲を20曲紹介していきたいと思います。
誰もが聴いたことのあるクラシックの人気曲ランキングTOP20!
今回のランキングは次の通りです。
Contents
- 1 誰もが聴いたことのあるクラシックの人気曲ランキングTOP20!
- 1.1 第20位 行進曲「威風堂々」第1番/エルガー
- 1.2 第19位 練習曲作品10-12「革命」/ショパン
- 1.3 第18位 交響曲第9番「新世界より」第四楽章/ドボルザーク
- 1.4 第17位 ベルガマスク組曲より「月の光」/ドビュッシー
- 1.5 第16位 レクイエムより「怒りの日」/ヴェルディ
- 1.6 第15位 組曲「惑星」より「木星」/ホルスト
- 1.7 第14位 ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」から第二楽章/ベートーヴェン
- 1.8 第13位 パガニーニ練習曲より「ラ・カンパネラ」/リスト
- 1.9 第12位 愛の夢第3番/リスト
- 1.10 第11位 ピアノ・ソナタ第14番「月光」から第一楽章/ベートーヴェン
- 1.11 第10位 ノクターン作品9-2/ショパン
- 1.12 第9位 交響曲第7番より第一楽章/ベートーヴェン
- 1.13 第8位 練習曲作品10-3「別れの曲」/ショパン
- 1.14 第7位 ラプソディ・イン・ブルー/ガーシュウィン
- 1.15 第6位 ボレロ/ラヴェル
- 1.16 第5位 ピアノ協奏曲第2番より第一楽章/ラフマニノフ
- 1.17 第4位 組曲「仮面舞踏会」より「ワルツ」/ハチャトゥリアン
- 1.18 第3位 幻想即興曲/ショパン
- 1.19 第2位 管弦楽組曲第3番より「G線上のアリア」/J.S.バッハ
- 1.20 第1位 カノン/パッフェルベル
- 2 まとめ
誰もが聴いたことのあるクラシックの人気曲ランキングTOP20!
第20位 行進曲「威風堂々」第1番/エルガー
誰もが聴いたことのあるクラシックの人気曲ランキングTOP20!第20位は、エルガー作曲の行進曲「威風堂々」第1番です。1901年に作曲され、全6曲中最も人気があり、三部形式の中間部の旋律が特に有名で、イギリスでは第2の国歌として愛されています。
初演から3日後の演奏会では、聴衆が2度にわたりアンコールを求めたという逸話が残されています。
第19位 練習曲作品10-12「革命」/ショパン
誰もが聴いたことのあるクラシックの人気曲ランキングTOP20!第19位は、ショパン作曲の練習曲作品10-12「革命」です。左手の速いパッセージと右手で叩きつけるような激しい旋律が特徴の曲で、ショパン作曲の練習曲の中で最も人気があります。
「革命」というタイトルはショパンが名付けたものではなく、ロシアによるポーランド侵攻との因果関係はないと言われています。
ショパン:12の練習曲 作品10/作品25/CD/UCCG-2002
第18位 交響曲第9番「新世界より」第四楽章/ドボルザーク
誰もが聴いたことのあるクラシックの人気曲ランキングTOP20!第18位は、ドボルザーク作曲の交響曲第9番「新世界より」から第四楽章です。
ドボルザークが在米中の1892年から1895年の間に作曲されたこの交響曲は、ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」とシューベルトの交響曲第7番「未完成」と並び、三大交響曲と呼ばれていて、第四楽章は、第二楽章の「家路」の旋律と共に、有数の人気曲として知られています。
第17位 ベルガマスク組曲より「月の光」/ドビュッシー
誰もが聴いたことのあるクラシックの人気曲ランキングTOP20!第17位は、ドビュッシー作曲のベルガマスク組曲から第3曲「月の光」です。この組曲は1890年ごろに作曲され、「月の光」だけ単独で演奏されることが多く、ドビュッシーの全作品中最も親しまれている曲でもあります。
一度聴いたら忘れられない、クラシックのピアノ曲では有数の名曲です。
月の光(ドビュッシー:ピアノ名曲集)/CD/WPCS-51170
第16位 レクイエムより「怒りの日」/ヴェルディ
誰もが聴いたことのあるクラシックの人気曲ランキングTOP20!第16位は、ヴェルディ作曲のレクイエムより「怒りの日」です。この曲は、バラエティ番組で効果的に使用されることがあるので、聴いたことがある方も多いと思います。
この曲は、ヴェルディが最も敬愛していたイタリアの文豪マンゾーニの追悼を目的に作曲されたミサ曲で、最も華麗なレクイエムと評されますが、決してバラエティ番組で使うようなふざけた曲ではありません。
ただ、「怒りの日」は、あまりにも深い悲しみと激しさがあるため広く知られるようになりました。
第15位 組曲「惑星」より「木星」/ホルスト
誰もが聴いたことのあるクラシックの人気曲ランキングTOP20!第15位は、ホルスト作曲の組曲「惑星」より「木星」です。組曲「惑星」は1914年から1916年にかけて作曲され、「木星」は中間部の旋律が美しく、イギリスでは愛国歌として親しまれています。
ホルストは、「惑星」の編曲には厳格な制約を設けていましたが、近年では絶対的なものではなくなり、著名なミュージシャンたちが編曲をして演奏もおこなっています。
日本では冨田勲さんのシンセサイザー編曲のアルバムが有名で、「木星」に関しては、平原綾香さんのデビュー曲「ジュピター」で話題になりました。
第14位 ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」から第二楽章/ベートーヴェン
誰もが聴いたことのあるクラシックの人気曲ランキングTOP20!第14位は、ベートーヴェン作曲のピアノ・そなた第8番「悲壮」から第二楽章です。この曲は1798年から1799にかけて作曲されたと考えられており、ベートーヴェン初期作品を代表する傑作として広く知られています。
このソナタは、標題の通り、全体的に悲愴感漂う作品ですが、第二楽章のみ慰められる内容で、最初から最後まで美しい旋律を楽しむことができます。日本では、のだめカンタービレでも取り上げられ、クラシックを知らなかった方もこの曲を知るきっかけになりました。
第13位 パガニーニ練習曲より「ラ・カンパネラ」/リスト
誰もが聴いたことのあるクラシックの人気曲ランキングTOP20!第13位は、リスト作曲の「パガニーニによる大練習曲」第3番「ラ・カンパネラ」で、パガニーニ作曲によるバイオリン協奏曲第2番の第三楽章「ラ・カンパネラ」の主題を編曲したものです。
カンパネラとは鐘の意味ですが、リスト編曲によるこの曲は、壊れそうになるくらいに激しく鳴り響く鐘の音が、まるで人の心を表しているようで、聴く者を魅了してやみません。
演奏は極めて困難ですが、そのあまりにもドラマティックな内容が人気で、リストの作品中最も広く知られている曲です。
Liszt リスト / 超絶技巧練習曲集 アリス=紗良・オット 輸入盤
第12位 愛の夢第3番/リスト
誰もが聴いたことのあるクラシックの人気曲ランキングTOP20!第12位は、リスト作曲の愛の夢第3番です。愛の夢は3曲から成るピアノ曲で、元々は歌曲として書かれたものをピアノ用に編曲した作品です。
中でも第3番が特に有名で、超絶技巧を必要とした初期の頃の作品とは異なり、美しい旋律を際立たせるための無駄のない編曲が特徴です。この曲は、ピアノを習う子が必ずといっていいほど憧れる作品で、クラシックのピアノ曲でも常に上位に挙げられる定番の楽曲です。
第11位 ピアノ・ソナタ第14番「月光」から第一楽章/ベートーヴェン
誰もが聴いたことのあるクラシックの人気曲ランキングTOP20!第11位は、ベートーヴェン作曲のピアノ・ソナタ第14番「月光」から第一楽章です。
1801年に作曲されたこのソナタは「幻想曲風ソナタ」という題名が付けられていて、途切れることのない右手の三連符が実に印象的な第一楽章が有名です。非常に内向的な楽曲で、シンプルながら演奏は極めて難しいとされています。
第14番のピアノ・ソナタは、同第8番「悲愴」、同第23番「熱情」と並んで3大ピアノ・ソナタと呼ばれる人気作品で、ベートーヴェン中期作品の代表的な楽曲です。
第10位 ノクターン作品9-2/ショパン
誰もが聴いたことのあるクラシックの人気曲ランキングTOP20!第10位は、ショパン作曲のノクターン作品9-2です。ノクターンはジョン・フィールドが創始者として知られていますが、真先にイメージするのはショパンでしょう。
ノクターンは夜想曲と日本では訳しますが、この曲は、最もその名前の雰囲気に近い作品として人気があります。ピアノを習うと憧れる曲のひとつで、演奏難度の高いショパンの作品の中では、比較的弾きやすいピアノ曲です。
第9位 交響曲第7番より第一楽章/ベートーヴェン
誰もが聴いたことのあるクラシックの人気曲ランキングTOP20!第9位は、ベートーヴェン作曲の交響曲第7番より第一楽章です。この曲は、ベートーヴェンが41歳の時に書かれた作品です。ベートーヴェンの9作品ある交響曲は、不思議なことに奇数番号の作品はなぜか男性的で劇的な内容をしています。
もちろん、意図的なものではありません。しかし、第7番の交響曲をリストは「リズムの神化」と評し、ワーグナーは「舞踏の聖化」と絶賛しています。近頃では、この交響曲を「のだめカンタービレ」で知ったという方も多いようですが、宇宙までをも感じさせるスケールの大きさは、さすがとしか言えません。
第8位 練習曲作品10-3「別れの曲」/ショパン
誰もが聴いたことのあるクラシックの人気曲ランキングTOP20!第8位は、ショパン作曲の練習曲作品10-3「別れの曲」です。日本では「別れの曲」というタイトルで知られていますが、このタイトルはショパンが付けたものではなく、1934年の伝記映画「別れの曲」に因んでいます。
また、練習曲とありますが、この作品は、いわゆる指を鍛えるための楽曲ではなく、芸術性が問われる内容で、感情が揺れ動く中間部とのバランスをとるのが非常に難しいことでも知られています。練習曲作品10は、ショパンが23歳までに書いたものですが、既に完成された極めて高い芸術性を感じることができます。
第7位 ラプソディ・イン・ブルー/ガーシュウィン
誰もが聴いたことのあるクラシックの人気曲ランキングTOP20!第7位は、ガーシュウィン作曲のラプソディ・イン・ブルーです。この曲は、ピアノと管弦楽によるピアノ協奏曲的な雰囲気を持つ自由奔放な作品で、私たちが一般的によく耳にする演奏は、1942年にフランク・キャンベル=ワトソンによって改訂されたものです。
冒頭のクラリネットによるグリッサンドが強烈で、一気に作品の世界へ引き込むアレンジは実に素晴らしいものです。
クラシック、ジャズ、ラグタイム、ブルースといった、さまざまな要素が詰め込まれたこの曲は、アメリカ音楽を代表する作品として人気があり、クロスオーバー的な内容も含まれているので、肩肘張らず、リラックスして楽しめるのもポイントです。
第6位 ボレロ/ラヴェル
誰もが聴いたことのあるクラシックの人気曲ランキングTOP20!第6位は、ラヴェル作曲のボレロです。この曲は1928年に書かれたバレエ音楽で、同じリズムが最初から最後まで繰り返され、2つのメロディも繰り返される実験的な作品で、徐々にクレッシェンドされていき、最後は爆音のように急な転調をして曲が終わります。
ボレロは、非常にインパクトのある作品で、ラヴェルの代表的な管弦楽曲として人気があります。
第5位 ピアノ協奏曲第2番より第一楽章/ラフマニノフ
誰もが聴いたことのあるクラシックの人気曲ランキングTOP20!第5位は、ラフマニノフ作曲のピアノ協奏曲第2番より第一楽章です。
この協奏曲は、1900年から1901年の春までに書かれたラフマニノフの代表曲の一つで、現在は、フィギュアスケートのプログラムでもお馴染みの曲として、クラシックの枠を超えて人気のある作品です。
作曲に着手した当初、自信喪失だったラフマニノフは、催眠療法により自信回復することができ、その過程の中で完成させたこのピアノ協奏曲は、世界中の誰もが知る最も有名な作品となりました。
作曲の困難を極めたとされる第一楽章は、苦悩に満ちた作曲者自身の葛藤が反映されているとも言われていて、聴く者の心を揺さぶります。
第4位 組曲「仮面舞踏会」より「ワルツ」/ハチャトゥリアン
誰もが聴いたことのあるクラシックの人気曲ランキングTOP20!第4位は、ハチャトゥリアン作曲の組曲「仮面舞踏会」よりワルツです。組曲「仮面舞踏会」は、1941年に書かれた劇音楽を1944年に組曲として再編成した作品です。
レールモントフの戯曲「仮面舞踏会」のために作られた悲劇の物語は、再編成の組曲にも反映されています。
組曲で最も有名なワルツでは、上流社会の嫉妬や憎悪といった、複雑に絡み合う人間模様が見え隠れてしていて、耽美的でありながら、強い毒を感じる内容に仕上がっています。この曲は、浅田真央さんがフィギュアスケートのプログラムで使用したことでも話題になりました。
第3位 幻想即興曲/ショパン
誰もが聴いたことのあるクラシックの人気曲ランキングTOP20!第3位は、ショパン作曲の幻想即興曲です。この曲は、ショパンが作曲した4つの即興曲のうち最初に書かれた作品で、生前には発表されなかった遺作です。
また、「幻想」というのは作曲家自身が付けたものではなく、楽譜の出版時に友人によって付けられたものです。この曲は、左手のアルペジオの伴奏の上を複雑に絡み合う16分音符の序奏が特徴的で、クラシックのピアノ作品の中で最も人気のある楽曲として知られています。
ピアニストなら誰もが憧れる曲で、最近では、平昌オリンピックで金メダルを獲得した羽生結弦さんがプログラムに取り入れていたことでも話題になりました。
第2位 管弦楽組曲第3番より「G線上のアリア」/J.S.バッハ
誰もが聴いたことのあるクラシックの人気曲ランキングTOP20!第2位は、J.S.バッハ作曲の管弦楽組曲第3番より「G線上のアリア」です。タイトルの「G線上」とは、バイオリンの開放弦Gを指しています。
バイオリニストのアウグスト・ウィルヘルミが、ピアノ伴奏付きのバイオリン独奏として編曲した際、ニ長調からハ長調に移調しているため、開放弦のG線のみでも演奏が可能なところから「G線上のアリア」と呼ばれるようになりました。
したがって、私たちが普段耳にする管弦楽組曲第3番のアリアは、ニ長調のままなので、本来なら「G線上のアリア」と呼ぶのはおかしな話なのですが、この通称ですっかり定着してしましました。
また、アウグスト・フィルヘルミは、決してG線だけで演奏をする目的で編曲をしていません。この曲は、あらゆるメディアで使用されているので、おそらく世界中で最も広く知られている曲だと言えます。
第1位 カノン/パッフェルベル
誰もが聴いたことのあるクラシックの人気曲ランキングTOP20!第1位は、パッフェルベル作曲のカノンです。この曲は1680年頃に書かれた「3つのバイオリンと通奏低音のためのカノンとジーグ ニ長調」の第一曲目で、パッフェルベルの作品中最も有名な曲として人気があります。
クラシック音楽の入門向けとしてメディアで多く取り上げられているほか、入学式や卒業式、結婚式といった記念のイベントでもBGMとしてよく使用されているので、そのメロディを知らない人は殆どいないのではないでしょうか?
また、近年では、ポピュラー音楽でも取り上げられる機会が多く、世界中のアーティストがアレンジしているので、ありとあらゆる場所でよく耳にします。シンプル・イズ・ベストの定番曲です。
パッヘルベルのカノン~バロック名曲集/CD/WPCS-21026
まとめ
「誰もが聴いたことのあるクラシックの人気曲ランキングTOP20!」と題しましてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか?
今回お伝えしたランキング以外にもクラシックでは人気の高い曲はたくさん存在しますので、このランキングを切っ掛けにクラシック音楽に興味を持っていただければ幸いです。皆さんの参考になれば嬉しいです。
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