ベヒシュタイン(BECHSTEIN)は、
スタインウェイ、ベーゼンドルファーと共に
世界3大ピアノメーカーと呼ばれています
その中でベヒシュタインは、
「ピアノのストラディバリウス」
と呼ばれるほどの名器で、最高のピアノの代名詞です。
また、20世紀を代表するドイツの巨匠指揮者、作曲家フルトヴェングラーは、
「ベヒシュタインは間違いなく現在製作されている中で最高のピアノの一つである。
とりわけ高貴で豊かな音色。甘いのに、崇高。」
と残しています。
今回は数々の魅力を秘めたドイツピアノメーカー
ベヒシュタインについて、説明したいと思います。
ベヒシュタインの概要
1853年に、カール・ベヒシュタインがドイツのベルリンで設立しました。
しかし、1929年の世界恐慌で経営に打撃を受けました。
また第二次世界大戦時にはドイツが戦場となったため、
多くの工場が破壊され、設計図や資料、熟練した職人など
多くの貴重な力を無くしました。
さらに、ナチス・ダイツに協力したとして第一線を退くことになりました。
その後、アメリカのボールドウィンの傘下に入ったり、
カール・シュルツェに経営権が移ったりしましたが、
1997年に株式会社となり成長を続け、やがてグループ会社となりました。
傘下には、ツィンマーマンとホフマンのブランドがあります。
ホフマンのブランドは、現在でも製作・販売が続いています。
また、2006年にはドイツで第1回ベヒシュタイン国際ピアノコンクールが開催されました。
ベヒシュタインの特徴
ベヒシュタインのピアノは最高級のもので、
「ピアノのストラディバリウス(=弦楽器の最高品質ブランド)」
と称されるほどです。
構造面では、響板に力を入れています。
鉄骨フレームを採用して、あまり響かせないことで透明度の高い音色に仕上げています。
しかし、近年では大ホールでの演奏を考慮し他社のピアノと同じようにしたため、
高音部の音量や持続が増大しました。
その引き換えに、純粋な音質ではなくなったことから、
ベヒシュタインが後退したと考えている人もいます。
アップライトピアノに関しては、国際的に認められているトップクラスの品質を誇っています。
ベヒシュタインと音楽家たち
ベヒシュタインのピアノは、
フランツ・リストやクロード・ドビュッシー、ヴィトルト・ルトスワフスキ、
セルジュ・チェリビダッケやクシシュトフ・ペンデレツキ、
レナード・バーンスタイン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー
といった作曲家たちや、
セシル・テイラーやチック・コリアといったジャズピアニスト、
シャルル・アズナヴールのようなシンガーソングライターにも使用され、
高く評価されています。
リストは、
「28年ベヒシュタインのピアノを弾き続け、
いつでも最高の楽器だったと述べています。」
ドビュッシーは、
「ピアノ音楽はベヒシュタインのためだけに書かれるべき」
と言うほどです。
さらにフルトヴェングラーは、
「ベヒシュタインのピアノを最高のピアノの1つと呼び、
その音色を高貴で豊か、甘いのに崇高」
と評しました。
その高い評価から、今でもベヒシュタインのピアノは最高級品質として、
多くの人に認められています。
ベヒシュタインのアップライトピアノ
世界中のピアノメーカーの中でも評価が高いベヒシュタインですが、
特にアップライトでは「キング・オブ・アップライト」と呼ばれ、
世界一の称号を得ています。
その理由は、響板で音を作り出しているからです。
アップライトピアノは、
このベヒシュタインのコンサートモデルに倣って造られたものが多く、
まさにベヒシュタインが最先端であると言えるでしょう。
ベヒシュタインのピアノを演奏するなら
ベヒシュタインのピアノは現在国内での販売が独占されており、
ユーロピアノが日本総代理店として取り扱っています。
中級から上級、プロの方が使用するトラディッションの
TモデルやプロフェッショナルのWHモデルは、
アップライトピアノで150万円程度、
グランドピアノで300万円から500万円程度となっています。
プレミアムのPモデルは、
アップライトピアノで170万円から250万円、
グランドピアノで500万円から850万円程度となっています。
そして最高級のマイスターピースは、
アップライトピアノで280万円から620万円程度、
グランドピアノでは1000万円を超えています。
ユーロピアノのベヒシュタインジャパンでは、試弾も可能とのことです。
中古のピアノでも、状態のいいものは中々値が下がらないようで、
新品同様の高値となっています。
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