BOSS CP-1Xはナチュラルさや音楽的な要素を秘めた新しいコンプレッサーです。BOSSらしい技術が各所に詰め込まれ、新たな時代を切り開く気概を感じるスペック。
今回はそんなCP-1Xをレビューします。
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特徴
18Vに昇圧する事で得られる広大なヘッドルーム
特殊な場合を除き、コンプレッサーには必ず”クリーンさ”が求められます。現代ではギターや機材によって入力ゲインには幅があり、ギター周りの機材にはそれを考慮したデザインをする必要があります。CP-1Xは電源自体は9Vを使いながらエフェクター内部で18Vに電圧を昇圧し、入力部での歪みを起こさない構造を取っています。
アクティブのギターや7弦、8弦ギターにも対応したわけですね。
MDP技術 Multi Dimensional Processing
BOSS独自の信号処理技術「MDP」は入力された信号の情報(周波数や倍音の特性など)を解析し、リアルタイムで複雑な処理を施します。これら多くの要素を高い次元でエンハンスする事で音楽的ながらも高次元のサウンドクオリティを実現しています。
アナログでは得られない新たな表現を手にする事になるでしょう。
エフェクトのかかり具合を目視できるゲインリダクションインジケーター
ラック機材やREC機材としてのコンプレッサーとしては標準装備であるゲインリダクションインジケーターを搭載。コンパクトエフェクターに搭載される事は少ないものですが、実際に目視しながら各パラメータをコントロールできるのはとても心強いのではないでしょうか。
シンプルな操作感
徹底したユーザビリティの追及により、本来複雑な設定が必要なコンプレッサーを”オートマチック化”。つまみ自体は4つしかありませんが、実際にはエフェクター内で多数のパラメータがセンシティブに動作し、複雑なセッティングをくみ上げています。
このような、ある意味でのプリセットトーンの設定は長年のエフェクター開発の歴史のあるBOSSならでは。どのようなセッティングでも常に最適な結果を得られるでしょう。
コントロール
LEVEL – 音量のコントロール
ATTACK – エフェクトをかけ始めるタイミングのコントロール。早く設定するとアタック直後にサウンドが圧縮されるためがちっとエフェクティブに、遅く設定するとナチュラルなサウンドになります。
RATIO – サウンドをどれくらい圧縮するか(何分の1にするか)のコントロール。上げれば上げるほど、大きく圧縮されることになります。小さいほどナチュラル、大きいほどエフェクティブになりますね。
COMP – スレッショルドの設定のように感じます。どれくらいの音量からエフェクトをかけ始めるか、という設定ですね。しかし実際には内部で多くの調整がされているため、一慨にスレッショルドとは呼べませんね。
サウンド
今までにコンプレッサーの名機としてMXR Dyna CompやBOSS CS-2、3などのCSシリーズがありましたが、それらとは全く異なるアルゴリズムを持った印象を受けます。
単音の小さいゲインの音もナチュラルに”立体化”され、ギター特有のチョーキング、トリルなどの繊細な表現も全くジャマをしません。通すだけで全体に艶が出て、信号全体がクッキリと明確になります。MDP技術により信号の情報によって(プレイの内容によって)エフェクトのかかり方が変わるので、オートマチックに最適なサウンドが得られます。
MDPの精度が非常に高く、誤作動を感じる事はありません。サウンドがあくまでナチュラルであるということもその理由かもしれません。
スペック
- 規定入力レベル-20dBu
- 入力インピーダンス1MΩ
- 規定出力レベル-20dBu
- 出力インピーダンス1kΩ
- 推奨負荷インピーダンス10kΩ以上
- バイパスバッファード・バイパス
- 規定入力レベル:-20dBu
- 入力インピーダンス:1MΩ
- 規定出力レベル:-20dBu
- 出力インピーダンス:1kΩ
- 推奨負荷インピーダンス:10kΩ以上
- バイパス:バッファード・バイパス
- 連続使用時の電池の寿命:約3時間(アルカリ電池)
- 質量幅:(W)73 mm
- 奥行き:(D)129 mm
- 高さ:(H)59 mm
- 質量:450g(乾電池含む)
ソース:BOSS
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