アメリカ最大手の総合楽器メーカーである
スタインウェイ・ミュージカル・インスツルメンツが
高級ピアノメーカースタインウェイ(STEINWAY&SONS)の第二ブランドとして
設計したものがボストンピアノ(Boston Piano)です。
スタインウェイ独自の特許技術と、専門知識を駆使し設計されており、
ボストンシリーズのグランドピアノとアップライトピアノは、
他に類をみないレベルに到達したとも言われています。
今回はボストンピアノについて、説明していきます。
ボストンピアノの概要
1991年に、生産台数が少なく高価なスタインウェイとは別に、
ヤマハや河合楽器製作所のように量産ピアノに
近い価格のピアノを生産するために作られました。
日本での販売は、
河合楽器製作所の国内工場で生産されたものを逆輸入する形になっていましたが、
スタインウェイ・ジャパン発足後は特約店を通して販売されています。
以前は整音の余地があるとされていましたが、
この頃から品質が大きく向上したと言われています。
2009年にリニュアールされ、さらに響きが重厚になりました。
ボストンピアノの特徴
ボストンピアノは、レスポンスのよさ、高い精度と優美さを兼ね備えたピアノで、
スタインウェイ独自の特許技術と知識を元に設計された高水準の上質なピアノです。
演奏会にも、練習用にも持って来いのクオリティです。
主要な音楽祭や教会での演奏や、多くの音楽大学や音楽院、
家庭での練習ピアノとして採用されています。
ピアノのタッチとしては、やや重めで音量が少なく柔らかい音色になっています。
ソフトランディングという、鍵盤蓋が急に閉まることを防ぐ機能を搭載したピアノもあり、
力が弱く手を挟みそうで怖いこどもでも安心して使えるようになっています。
響板にはシトカ産スプルース材が使用され、精密に作られています。
また、スタインウェイの第二ブランドであることから、
内部の構造全体がスタインウェイピアノに近くなっており、
特にアクション部分にスタインウェイの構造をそのまま採用したり、
ピアノの全てを木製で造ったりしているのです。
アクション部分では、洋梨形ハンマーを採用しています。
ピンブロックは、11層の堅木メープルの木目を60度ずつずらして貼り合わせています。
こうして、全方向からの力を均一にし、強い張力がかかっても安定するようにしています。
さらに、特許を取得した振動膜の原理を応用した方法で、
響板の中心部から端にかけて少しずつ薄くすることで、より豊かな音色を可能にしています。
グランドピアノは、奥行きが長いほうが響板面積が長く、力強く豊かな音色となります。
ボストンピアノでは奥行き178cmですが、
他社の奥行き188cmのグランドピアノと同じ響板面積になるよう設計されているため、
コンパクトながらも素敵な音色を実現しています。
また、リムというグランドピアノ特有の側板の外リムにマボカニー、
内リムに堅木メープルという高品質な硬質木材が使用されています。
これらの木材の木目を水平にそろえて張り合わせているため、
安定性の高いピアノとなっています。
アップライトピアノでは、弦の張力を下げることで低音部をより響かせ、
充実した豊かで温かみのある音色を実現しています。
また、譜面台を大きくすることで楽譜を置きやすくしているのです。
ボストンピアノを演奏するなら
ボストンピアノは、スタインウェイの第二ブランドで大衆向けに設計されていることから、
安い価格で購入することが可能です。
グランドピアノのアーティストユースモデルのピアニスト練習用では、
大きいGP-215PEで400万円程度、GP-193PEで350万円程度です。
家庭用のプライベートユースモデルでは、250万円前後での購入が可能となっています。
アップライトピアノのプライベートユースモデルは、100万円程度から170万円程度で購入出来ます。
中古のボストンピアノも、多く出回っています。
ボストンピアノが初めてピアノを販売したのは1992年で新しい方なのですが、
初期の頃に製造されたピアノは元の販売価格の半値で取引されています。
また、状態にもよりますが5年から10年前のものでは、6割ほどの価格で販売されています。
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