宅録と言えば、一昔前まではMTRを使用しての作業が主流でしたが、現在ではパソコンやスマートフォンを使用した作業が主流になっています。パソコンやスマートフォンを使用した宅録環境で最も重要なのはオーディオインターフェースの導入です。
もちろん、音楽制作をするに当たり、パソコンやスマートフォンのスペックや動作状況は重要なのですが、オーディオインターフェース抜きでの作業はありえません。
オーディオインターフェースは、主に音の入力と出力を担うハードウェアで、パソコンやスマートフォンで音楽制作をおこなう際に不可欠な存在です。ただ、これから音楽制作を始める方にとっては、何を基準にしてオーディオインターフェースを選べば良いのか、判断が難しいと思います。
そこで今回は、「宅録初心者におすすめのオーディオインターフェース5選!」と題しまして、オーディオインターフェースの選び方を含めて、おすすめの機種を5つ紹介していきたいと思います。
宅録初心者におすすめのオーディオインターフェース5選!
今回は下記の内容でオーディオインターフェースを紹介していきます。
Contents
オーディオインターフェースとは何?
オーディオインターフェースは、簡単に言えば音の出入り口を担う機械です。パソコンやスマートフォンだけでも音声の入出力は可能です。しかし、パソコンやスマートフォンにある音声の入出力は、音楽制作のために特化しているものではありません。
本格的な音楽制作をおこなう場合は、安定した動作環境が大切です。オーディオインターフェースは、パソコンやスマートフォンにUSBで接続し、マイクやギターなどのライン入力に加え、スピーカーやヘッドフォンなどへ音声の出力をおこないます。
オーディオインターフェースには、スピーカーやヘッドフォンは付属していませんので、別途用意する必要があります。ただ、音楽制作において音質の維持は極めて重要なので、モニター用のスピーカーやヘッドフォンは、可能な限り良質なものを選ぶようにしましょう。
オーディオインターフェースの選び方
音質を確認しましょう
オーディオインターフェースの選び方のひとつとして、音質が挙げられます。音質は、音楽制作だけに限らず、動画配信や実況においても重要なので、オーディオインターフェースを選ぶ際は押さえておきたいところです。
ポイントは、bit深度とサンプリング周波数の数値で、値が大きいほど高音質の処理がおこなわれます。現時点で、音楽制作に必要なbit深度とサンプリング周波数は24bit/48KHz以上なので、この数値を基準に選ぶようにしましょう。
ただし、いくら高音質のオーディオインターフェースであったとしても、パソコンやスマートフォンの本体やOSが対応していなかったら使用できませんので、購入する際は、現在使用しているパソコンとスマートフォンの仕様やOSを必ずチェックするようにしましょう。
入出力端子の数
オーディオインターフェースを購入する際、音質に続いて重要なのは、接続する入出力端子の数です。入出力端子の数は多いほど、さまざまな楽器やマイクなどを接続することが可能です。
ただ、入出力端子が増えるほどオーディオインターフェースの価格も上がるので、初めてのオーディオインターフェースを選ぶ際は、必要最低限の入出力端子の数で問題ありません。
例えば、ギターとボーカルだけなら入力端子は2つあれば事足ります。この辺りは、自分自身がどのような音楽制作をおこなうかで左右するので、慎重に選ぶようにしましょう。
入出力端子の種類を確認しましょう
オーディオインターフェースは、メーカーや機種によって入出力端子の種類が異なる場合もあるので注意しましょう。近頃では、ユーザーの利便性に考慮した親切設計なオーディオインターフェースもリリースされているので、その辺りも細かくチェックするといいでしょう。
例えば、コンボジャックは、マイク専用のXLR端子と通常のライン入力で使用されるTSフォーン端子のどちらにも対応しているので、ユーザーの利便性を考慮した端子だと言えます。
また、コンボジャックを採用しているオーディオインターフェースの多くは、ギターやベースの直接入力に対応したHI-Z入力が可能なものが殆どですが、中にはHI-Z入力に対応していないものもあるので、この辺りもチェックするようにしてください。
あと、XLR端子のあるオーディオインターフェースの多くは、48Vファンタム電源に対応していますが、対応していない機器に関しては、コンデンサーマイクを接続する際、別途48Vファンタム電源の供給が必要になるので、この辺りも必ずチェックするようにしましょう。
付属のソフトウェアの有無について
音楽制作用のオーディオインターフェースを購入すると、殆どの場合DAWのソフトウェアが付属しています。DAWはパソコンを使用した音楽制作には必要不可欠なソフトウェアです。
これらのDAWのソフトウェアは、機能制限はあるのもの、必要最低限な音楽制作が可能なので、ここもぜひチェックしておきたいところです。特に、パソコンを使った音楽制作が初めての方にとっては、いきなり機能制限のない高価なDAWの導入は難しいと思います。
オーディオインターフェースに付属するDAWはメーカーもさまざまですが、音楽制作で必要な機能は、どのメーカーのものも似ている部分が多いので参考になります。また、実際に使用して気に入った場合は、機能制限のないグレードのDAWを導入すれば良いのではないかと思います。
宅録におすすめのオーディオインターフェース5選!
Focusrite Scarlett Solo G2
宅録におすすめのオーディオインターフェース5選!はじめに紹介するオーディオインターフェースは、FocusriteのScarlett Solo G2です。価格は¥10,000前後。
Scarlett Solo G2は、高品質なDAW用のプラグインを販売しているFocusriteのオーディオインターフェースで、Scarlettシリーズでもっともコンパクトかつシンプルなモデルです。
入力端子はXLR端子とLINE端子が1つずつですが、音質は24bit/192kHzに対応しています。また、XLR端子は48Vファンタム電源に対応していて、コンデンサーマイクも問題なく接続できます。
もちろん、ギターやベースといった楽器もストレスなく入力することができます。Scarlett Solo G2は、最小限の入出力端子のみですが、ボーカルとギターといった組み合わせや、DAWをメインとした音楽制作なら十分過ぎる性能だと言えます。
そして、Scarlett Solo G2の魅力は音質面とコンパクトなハードだけでなく、付属のソフトウェアにもあります。DAWは12種類の即戦力となるVSTプラグインが利用できるPro Tools|First Focusrite特別仕様パックとAbleton Live Liteが利用できます。
さらに、SoftubeのTime and Tone bundleとFocusrite のRed Plugin-Suite、NovationのBass StationとXLN AudioのAddictive Keysも利用できます。
Scarlett Solo G2は、初心者の方だけでなく、2台目のオーディオインターフェースとしてもぴったりです
- 音質:24bit/192kHz対応
- 対応OS:Mac/Windows
- PC接続端子:USB2.0
- 入出力端子:XLR INPUT×1、LINE INPUT×1、RCA OUT×1、PHONE OUT×1
- DAW:Pro Tools | First Focusrite Creative Pack、Ableton Live Lite
- VST:Softube Time and Tone bundle、Focusrite Red Plugin-Suite
- VSTi:Novation Bass Station、XLN Audio Addictive Keys
Steinberg UR22mkII
宅録におすすめのオーディオインターフェース5選!続いて紹介するオーディオインターフェースは、SteinbergのUR22mkIIです。価格は¥15,000前後。UR22mkIIは、DAWのソフトウェアCubaseで有名なSteinbergのオーディオインターフェースです。
オーディオ入力端子はコンボジャック(2つ)を採用していて、48Vファンタム電源とHI-Z入力に対応しているのがポイントで、コンデンサーマイクやエレキギター、ベースギターを直接入力できます。
対応OSは、Mac/Windows/iOSで、iPadでの音楽制作にも活用することが可能。また、インタネット配信に便利なループバック機能も搭載しています。
さらに、ハードウェアモニタリングもできるので、録音中にレイテンシーを気にすることなく演奏に集中できるのもありがたい機能です。音質は24bit/192kHzに対応していて、このクラスのオーディオインターフェースとしてはダントツの高音質を誇ります。
DAWソフトには、Cubase AIのダウンロード版(64bitのみ)が付属しているので、UR22mkIIを購入したその日から音楽制作ができます。
Cubase AIは、Cubaseの機能制限付きのDAWではありますが、VSTやオーディオ編集もできるので、トラック数の少ないシンプルな音楽制作なら問題なく使うことができます。
本体の見た目よりもずっしりとした重みはありますが、持ち運びも容易なので、外出先での使用も可能です。UR22mkIIは、初めてのオーディオインターフェースとしてもおすすめです。
- 音質:24bit/192kHz対応
- 対応OS:Mac/Windows/iOS
- PC接続端子:USB2.0
- 入出力端子:コンボジャック×2、LINE OUTPUT×2、MIDI IN/OUT、PHONE OUT×1
- DAW:「Cubase AI」ダウンロード版付属(64bit版のみ)
PreSonus AudioBox iTwo
宅録におすすめのオーディオインターフェース5選!続いて紹介するオーディオインターフェースは、PreSonusのAudioBox iTwoです。価格は¥13,000前後。
AudioBox iTwoは、今もっとも勢いのあるDAWソフトウェアのひとつStudio Oneで知られるPreSonusのオーディオインターフェースです。
オーディオ入力端子はコンボジャック(2つ)を採用していて、48Vファンタム電源に対応しているので、コンデンサーマイクを直接入力することができます。
また、クラスAソリッド・ステート・プリアンプとハイエンド・コンバーター、ハイクオリティのヘッドフォン・アンプを搭載しているのも同オーディオインターフェースの特徴です。対応OSは、Mac/Windows/iOSで、iPadでの音楽制作にも対応しています。
さらに、iPadを使用する際に2トラックのレコーディングが簡単にできるアプリCapture Duoが付属しているのも嬉しいです。
Capture Duoは通常のレコーディングはもちろんですが、ステレオ録音が可能なので、使い方次第ではフィールドレコーディング用としても活用することができます。もちろん、本体の質量は630gと軽量なので、持ち運びも容易です。
付属のDAWソフトウェアは、Studio One Artistで、PreSonusの対象ハードウェアの登録ユーザーには、Plugin Alliance、Lexicon、Klanghelm、Output、Arturiaと連携した「Studio Magicプラグイン・スイート」が無償で提供されます。
- 音質:24bit/96kHz対応
- 対応OS:Mac/Windows/iOS
- PC接続端子:USB2.0
- 入出力端子:コンボジャック×2、LINE OUTPUT×2、MIDI IN/OUT、PHONE OUT×1
- DAW:Studio One Artist
Roland OCTA CAPTURE UA-1010
宅録におすすめのオーディオインターフェース5選!続いて紹介するオーディオインターフェースは、RolandのOCTA CAPTURE UA-1010です。価格は¥60,000前後。
OCTA CAPTURE UA-1010は、もし余裕があるのであれば、ぜひ選んでいただきたいオーディオインターフェースのひとつで、この価格帯ではダントツの高音質な音楽制作をおこなうことが可能です。
音質は24bit/192kHzに対応しているのはもちろんですが、V-STUDIO 700相当のハイクオリティなプリアンプを8系統装備しているのがポイントです。つまり、プロレベルの音楽制作の環境がこの1台で整えることができるわけです。
アナログ音声の入力端子はコンボジャック(8つ)を採用していて、ステレオ入力は4つまで対応しているため、ハードシンセも余裕をもって接続できます。また、ドラムや複数の生楽器の録音に対応していて、入力レベルを自動で調整してくれるオートセンス機能が搭載しているのもOCTA CAPTURE UA-1010の魅力です。
そのほかにも、OCTA CAPTURE UA-1010は電源がUSB供給ではなく、独立しているので安定した使用ができます。そして、何と言ってもOCTA CAPTURE UA-1010は超低レイテンシーなので、複数のハードシンセとプラグインシンセを同時に使用しても、ノンストレスで作業をすることができます。
- 音質:24bit/192kHz対応
- 対応OS:Mac/Windows
- PC接続端子:USB2.0
- 入出力端子:コンボジャック×8、LINE OUTPUT×8、COAXIAL IN/OUT、MIDI IN/OUT、PHONE OUT×1
- DAW:Ableton Live Lite
Line 6 Sonic Port VX
宅録におすすめのオーディオインターフェース5選!続いて紹介するオーディオインターフェースは、Line 6のSonic Port VXです。価格は¥15,000前後。
Sonic Port VXは、良質なアンプシミュレーターやマルチエフェクターで知られるLine 6のオーディオインターフェースで、コンデンサーマイクが搭載されたユニークなモデルです。
音質は24bit/48kHzなので、ずば抜けて高音質というわけではありませんが、工夫次第ではスタジオ品質の録音も可能です。また、モバイルに特化した使い勝手の良さは、現行で販売しているオーディオインターフェースの中で群を抜いていると言えます。
入力端子はAUX端子とLINE端子が一つずつ搭載されていて、外出先でもギターやベースなどの録音が可能です。OSは、MacやWindowsに加え、iOSにも対応しているため、iPhoneやiPadでも音楽制作ができます。
そして、Sonic Port VXは、何と言っても多機能なコンデンサーマイクが搭載されているのが最大の魅力で、自宅でのボーカル録音だけでなく、フィールドレコーディングなどにも活用することができます。
- 音質:24bit/48kHz対応
- 対応OS:Mac/Windows/iOS
- PC接続端子:USB2.0
- 入出力端子:AUX IN×1、LINE IN×1、LINE OUTPUT×2、PHONE OUT×1
- iOSアプリ:Mobile POD
まとめ
「宅録初心者におすすめのオーディオインターフェース5選!」と題しましてお伝えしてきましが、いかがでしたでしょうか?今回紹介したオーディオインターフェースは、どれもおすすめできるものですが、自分の音楽スタイルに合ったものを選ぶのがポイントです。皆さんの参考になれば嬉しいです。
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