場所を選ばないおすすめのジャズピアノの名曲10選

ジャズピアノとは、ピアニストがジャズの技法を用いて演奏する総称ですが、ジャズをあまり聴いたことがない方からすると、なんだか難しいイメージがあります。ただ、現在一般的によく耳にするジャズピアノは、長い歴史を経てたどり着いた、洗練された楽曲も多く、ピアニストが求めている趣向などが個性として表現されていて面白いです。そこで今回は、「場所を選ばないおすすめのジャズピアノの名曲10選」と題しまして、ジャズをあまり聴かれたことのない方にもおすすめできるジャズピアノの名曲を10曲紹介していきたいと思います。都会的に洗練された楽曲もあれば、ジャズで表現できる音を模索している楽曲などもありますが、どの曲も世界中の音楽ファンに愛されている名曲ばかりなので、参考にしていただければ幸いです。

場所を選ばないおすすめのジャズピアノの名曲10選

今回紹介するジャズピアノの名曲は次の通りです。

1.Bud Powell – Cleopatra’s Dream
2.Ray Bryant – Golden Earrings
3.Red Garland – Almost Like Being In Love
4.Bill Evans – Someday My Prince Will Come
5.Erroll Garner – Misty
6.Chihiro Yamanaka – All The Things You Are
7.Oscar Peterson – Take the “a” Train
8.Thelonious Monk – Just A Gigolo
9.Keith Jarrett – Köln, January 24, 1975, Pt. II C
10.Hiromi Uehara – Place To Be

それでは早速おすすめの名曲を見ていきましょう。

Bud Powell – Cleopatra’s Dream

場所を選ばないおすすめのジャズピアノの名曲10選。最初に紹介する曲は、バド・パウエルの『クレオパトラの夢』です。この曲は1959年リリースのアルバム『The Scene Changes』の1曲目で、バド・パウエルのオリジナル曲であり、ピアノ・トリオ至上最も影響力のある作品として有名です。というのも、現在では当たり前のような存在のピアノ・トリオという編成は、バド・パウエルが確立したとも言われているからです。また、解き放たれた鳥のように、自由に鍵盤を操る演奏スタイルは、多くのピアニストに影響を与えて続けています。『クレオパトラの夢』は、その親しみやすいメロディで人気の楽曲ですが、実は、日本以外ではあまり高く評価されていません。確かに、この曲はバド・パウエルの絶頂期の頃のテクニックを感じることは殆どできませんが、終始醸し出される哀愁感は何度聴いても胸が熱くなります。アルバムに収録されている他の作品も素晴らしいのでぜひお楽しみください。

Ray Bryant – Golden Earrings

場所を選ばないおすすめのジャズピアノの名曲10選。続いて紹介する曲はレイ・ブライアントの『Golden Earrings』です。この曲はVictor Youngによる映画のタイトル曲で、ジャズのスタンダードとして1950年代から現在まで多くのアーティストが演奏をしていますが、今回紹介するレイ・ブライアントによるカバーが最も有名です。原曲は、ハンガリーのジプシー民謡の影響があるようですが、ブルージーなフィーリングのレイ・ブライアントの演奏スタイルにピッタリ重なっていて、何度聴いても飽きのこない不思議な魅力を放っています。また、ピアノ・トリオによる編成も良い味を出していて、特にブラシによるドラムの演奏は、ピアノとベースの音をしっかり支えているので、終始安心感をもって聴くことができます。この曲が収録された『RAY BRYANT TRIO』は、ライト・ジャズの名盤として今ではお馴染みのアルバムとなっていますので、全曲通して聴くことをおすすめします。

Red Garland – Almost Like Being In Love

場所を選ばないおすすめのジャズピアノの名曲10選。続いて紹介する曲は、レッド・ガーランドの『Almost Like Being In Love』です。この曲はFrederick Loeweが1947年のミュージカル『Brigadoon』のために作曲したジャズのスタンダードで、ジーン・ケリーの映画版での歌唱が有名です。恋をしているようなウキウキしたメロディが印象的で、1950年代から現在まで、数多くの歌手がカバーしている定番中の定番です。レッド・ガーランドは決して派手なタイプのピアニストではありませんが、ライトながらも卓越したテクニックとグルーヴ感が特徴で、正に場所を選ばないジャズピアノの名手だと言えます。また、ピアノ・トリオでこそ味の出る演奏も素敵で、年中を通して気軽に聴ける内容もレッド・ガーランドの良さでしょう。この曲を聴いてみて気になった方は、ぜひ他の演奏も聴いてみてくださいね。

Bill Evans – Someday My Prince Will Come

場所を選ばないおすすめのジャズピアノの名曲10選。続いて紹介する曲は、ビル・エヴァンスの『いつか王子様が』です。この曲はディズニー映画『白雪姫』の挿入歌で、ジャズはもちろん、あらゆるジャンルの演奏家がカバーしているスタンダードの名曲です。今回紹介するビル・エヴァンスによる演奏は、その夢見るロマンティックな内容をピアノ・トリオで完結させた超名演で、ピアノだけが主役ではなく、ドラムとベースもソロの楽器として見事なバランスで融合しているのが特徴です。美しい色彩を感じさせるビル・エヴァンスの演奏は、その後のジャズピアノに多大な影響を与えており、洗練された都会的な音は、彼が亡くなった今でも多くの人に愛され続けています。ビル・エヴァンスの作品では、『Waltz for Debby』が最も有名なのですが、ジャズピアノに馴染みのない方は、まず今回の『いつか王子様が』が入りやすいと思います。この楽曲が収録されているアルバム『Portrait in Jazz』は、スタンダードな楽曲が中心なので、気になる方はぜひ他の作品も聴いてみてください。

Erroll Garner – Misty

場所を選ばないおすすめのジャズピアノの名曲10選。続いて紹介する曲は、エロール・ガーナーの『Misty』です。この曲は1954年リリースのアルバム『Plays Misty』の1曲目で、飛行機に乗っている時に、窓の外を眺めていたらメロディが浮かんできたというエロール・ガーナーの代表曲です。この曲の魅力は、何と言ってもビハインド・ザ・ビートと呼ばれる彼独特のグルーヴ感でしょう。あまりにも特徴のあるリズムのとり方なので、好き嫌いが分かれるところですが、まるでヴォーカル曲のような美しいメロディは、一度耳にすると忘れられない魅力があります。『Plays Misty』は、年中どのタイミングで聴いても楽しめるアルバムに仕上がっていますので、他の楽曲もぜひ楽しんでみてください。

Chihiro Yamanaka – All The Things You Are

場所を選ばないおすすめのジャズピアノの名曲10選。続いて紹介する曲は、山中千尋の『All The Things You Are』です。この曲はJerome David Kernが作曲したラブソングの傑作で、ジャズはもちろん、さまざまなジャンルの演奏家がカバーしている定番です。そして、この曲はジャズ・ピアニストのオスカー・ピーターソンが愛した作品でもあり、山中千尋さんは、彼へのオマージュとして演奏しています。もちろん、そっくりそのままオスカー・ピーターソンのような演奏しているわけではなく、山中千尋さんの色が出たやわらかで美しい演奏に仕上がっています。『All The Things You Are』はサラ・ヴォーンのカバーが有名で、ドラマティックな歌唱が人気ですが、今回紹介した山中千尋さんの演奏のように、ギターとベースのソロも存分に楽しむことができるピアノ・トリオの編成も面白いです。

Oscar Peterson – Take the “a” Train

場所を選ばないおすすめのジャズピアノの名曲10選。続いて紹介する曲は、オスカー・ピーターソンの『A列車で行こう』です。この曲は1968年のアルバム『My Favorite Instrument』に収録されているジャズ・スタンダードの名曲です。原曲はBilly Strayhornによるエリントン楽団のテーマ曲ですが、親しみやすいメロディなので、ジャズに限らず、さまざまなジャンルのアーティストがカバーをしています。オスカー・ピーターソンは、超絶的なテクニックを持つジャズ・ピアニストとして有名ですが、明るくて分かりやすい演奏が特徴です。そして、幸せな気持ちにさせてくれる音なので、ジャズピアノに慣れていない方にもおすすめできます。煌びやかな音の粒を思う存分楽しんでください。

Thelonious Monk – Just A Gigolo

場所を選ばないおすすめのジャズピアノの名曲10選。続いて紹介する曲は、セロニアス・モンクの『Just A Gigolo』です。この曲は1954年リリースのアルバム『Thelonious Monk Trio』に収録されています。原曲は、Leonello Casucci作曲によるドイツ語圏の歌で、後に英語圏でも広く歌われるようになります。ジャズでは、ルイ・プリマやサラ・ヴォーンによる歌唱が有名です。明るい楽曲で親しみやすいスタンダードの名曲ですが、今回紹介するセロニアス・モンクによるピアノ演奏は、哀愁のある切ない音色が胸に響きます。また、音の一つひとつを丁寧に選び抜いて演奏しているので、かえって心に残ります。ジャズピアノに慣れていない方は、少しクセを感じるかもしれませんが、聴けば聴くほど愛しさが増す楽曲ですので、今回紹介させていただきました。必ず心に残る素晴らしい演奏なので、ぜひ繰り返し聴いてみてください。

Keith Jarrett – Köln, January 24, 1975, Pt. II C

場所を選ばないおすすめのジャズピアノの名曲10選。続いて紹介する曲は、キース・ジャレットの『Köln, January 24, 1975, Pt. II C』です。この曲はキース・ジャレットが1975年にケルンのオペラハウスで即興演奏をしたライブ録音の終曲です。非常にロマンティックな内容の演奏で、これが本当に即興なのか?と思うほど見事に構築された作品となっています。このライブ録音はコンディションの悪い環境の中でおこなわれましたが、演奏を聴く限りでは、そのようなことは微塵も感じられません。素晴らしい演奏です。また、この録音を収めた『The Köln Concert』は、ピアノのソロ・アルバムとしては、世界で最も売れた作品としても有名です。その神がかり的な演奏をぜひお楽しみいただければと思います。

Hiromi Uehara – Place To Be

場所を選ばないおすすめのジャズピアノの名曲10選。最後に紹介する曲は、上原ひろみの『Place To Be』です。この作品は、2009年リリースの上原ひろみさんの6枚目となるスタジオ・アルバムに収録されたタイトル曲です。ピアノ・ソロだけのアルバムは上原さんのキャリアの中で初めてのものですが、どの作品も文句の付けようのない素晴らしい内容で、既にスタンダードのような風格のあるオリジナル曲が多く収録されています。上原さんのピアノは、理屈抜きに音を楽しむ姿勢が伝わってきますので、ジャズピアノに馴染みのない方にもおすすめできます。また、上原さんの演奏には、ジャズピアノで求められる演奏技術がたっぷり詰め込まれているので、そういった面も含めておすすめできます。『Place To Be』は、2007年11月に公開された映画『オリヲン座からの招待状』のメイン・テーマで、クラシックが好きな方にも安心感をもって聴くことができる美しい作品となっており、独特の三拍子が印象的です。時間軸の中で繰り広げられる音の世界は、まるで会話を聴いているかのようです。

場所を選ばないおすすめのジャズピアノの名曲10選【まとめ】

「場所を選ばないおすすめのジャズピアノの名曲10選」と題しましてお伝えしてきましたがいかがでしたでしょうか?今回紹介した楽曲は、ピアニスト本人のオリジナルの作品もあればカバーのものもありますが、どの演奏も各ピアニストの個性が印象的で、楽曲そのものの魅力を引き出した素晴らしい内容のものばかりです。ジャズはうるさいイメージがありますが、今回紹介したピアノ曲のように、おしゃれでやさしい演奏も数多くありますので、気になる演奏があれば、ぜひ他の作品も聴いてみてください。好きな演奏家がひとりでも見つかれば、その演奏家に影響を与えた人物なども調べているうちに分かってくるので、面白いですよ。皆さんの参考になれば嬉しいです。

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