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MXR EVH-117 EVH117 Flanger エフェクター とは
MXR EVH-117は、ロックシーンにおいて不動の地位を確立したエヴァン・レイノルズ(Eddie Van Halan)と密接に関わるモデルです。元々は彼の愛用機材として知られていたDunlop 20-C Flangerやそれに近いサウンドを追及するラインナップの一つですが、本機はMXRがその独自解釈を加え、より現代のトーンメイクに寄り添う形でリリースされたフラゲラーペダルです。ギター歴20年の視点から見れば、「あの音」をそのまま再現しようとするのではなく、エヴァン的なアタック感と空間処理をどうやって自分の演奏スタイルに組み込むかを考えさせる一台であると言えます。
MXRというブランドは長年にわたり高品質なアナログ回路設計で知られ、特にモジュレーション系ペダルにおいては「音の透明感」と「コントロール性」の高さから多くのプロミュージシャンに支持されてきました。EVH-117もその伝統を受け継ぎ、シンプルかつ直感的な操作性を重視しています。複雑なノブが並ぶデジタル機材とは異なり、限られたパラメータで最大限の表現力を引き出す設計思想は、ライブでの即応性やスタジオでの素早いトーン構築において大きな利点となります。
このペダルの最大の魅力は、単なる「エフェクト」としてではなく、「ギターサウンドの一部」になるように設計されている点にあります。フラゲラーという効果自体が派手になりすぎるとバンド全体のバランスを崩しかねないため、控えめながら存在感のある空間処理が可能かが鍵になります。EVH-117はその難題に対し、エヴァンのギタープレイで聞かれるような「鋭く切れる」と同時に「温かみがある」トーン特性を活かしつつ、アンプのキャラクターを殺さないよう配慮されたバランスを実現しています。
価格帯としては<強>35,200円前後と設定されており、単体ペダルとしては決して安いとは言えない領域です。しかし、これは「定番機材」としての名前負けではなく、実際にその音質や耐久性がプロユースに耐えうるものだからこその価格形成と言えます。特にエヴァン・レイノルズファンや、70〜80年代ハードロックのトーンを現代のアンプで再現したいユーザーにとって、選択肢の一つとして検討する価値は十分にあります。本レビューでは、スペック表だけでは伝わらない音の実態と使いどころまで掘り下げていきます。
スペック・機能を詳しく
MXR EVH-117の機能面を解説すると、まず目を引くのはそのミニマルなコントロールレイアウトです。通常フラゲラーペダルにはRate(速度)、Depth(量感)、Feedback(残響度)といったノブが標準装備されますが、本機もこれらの基本機能を備えています。各ノブの反応は非常に直感的で、回しごこちが良いことも特筆すべき点です。特にRateノブは低速域から高速域まで滑らかに調整でき、従来のアナログフラゲラーに見られるような「特定の速度帯での不安定さ」が軽減されている印象を受けます。
Depthコントロールについては、信号の減衰具合を細かく制御できる点が重要です。フルオープンでは派手なエフェクト感が出ますが、少し絞ることでギター本体のトーンを保ったまま僅かなモーションを加えることが可能です。これはクリーン〜軽めドライブでの使用時に特に有効で、「効いているか分からないが、音に奥行きがある」といったニュアンスを作り出すことができます。
Feedbackノブはフラゲラー特有のリバーブ的な残響を制御します。高域の抜けを保ちながら低域へのまわり込みを抑える設計となっているため、フィードバック量を増やしても音声が濁りにくいのが特徴です。多くのアナログ機ではこの部分で低音が膨らみすぎてバンド内で埋もれることがありますが、EVH-117はMXRらしいクリアな高域特性を活かしつつ、低域をコントロールする回路設計が行われています。
また、本機の内部構造については詳細なスペック表こそ公開されていませんが、MXRのフラゲラー系モデル共通の特徴としてバイパス時の音質劣化が少ないことが挙げられます。これはアナログペダルにおいて重要なポイントで、エフェクトOFF時でもギターのアンプ直結トーンを大きく損なわない設計になっています。電源は9V DCアダプター(センターマイナス)を使用し、バッテリ動作にも対応しているため、ライブでの電池切れリスクやアウトレット環境に左右されず使用できます。
フットスイッチの感触も硬めのクリック感があり、誤操作防止のための重さがあります。耐久性においてもMXR製品は金属シャーシを採用しており、ステージ上の落下や振動に対する耐性が高いことが知られています。機能面では派手な演出はありませんが、「必要十分な性能」を高い品質で提供している点こそがこのペダルの本質です。
特に注目したいのはコントロール間の相互作用です。RateとDepth、そしてFeedbackのバランスによって音のキャラクターが大きく変わりますが、どの組み合わせでも「嫌なノイズが出ない」「音が破綻しない」という安心感があります。これは回路設計における安定性の高さを示しており、ユーザーが試行錯誤する時間を減らし、より演奏に集中できる環境を提供しています。
総じて機能面では<強>シンプルさが最大の武器となっています。複雑な設定を覚える必要がなく、即座に自分の好みのトーンを見つけられる設計は、ライブセットリストの中で素早く音を変える必要がある場合に大きな利点になります。
| 型番 | MXR EVH-117 EVH117 Flanger エフェクター |
|---|---|
| メーカー | ブランド: MXR |
| 価格(参考) | ¥35,200 |
サウンド・音質の特徴
MXR EVH-117のサウンドキャラクターについて詳細に見ていくと、まず印象的なのは高域のエッジが立つまま空間処理が行われることです。多くのフラゲラーではエフェクトをONにすると音が丸まったり、あるいは逆に硬くなりすぎたりしますが、本機は元のギタートーンの輪郭を保ちつつ滑らかなモーションを加えることに成功しています。
クリーンベースでの使用時でも十分な存在感があり、特にストラトタイプやテレキャスターのようなシングルコイルピックアップ搭載のギターとの相性が良いです。ピッキングのアタックが明確に残るため、リズムプレイにおいてもバンド内で埋もれにくく、「いつもより少しだけ空間に浮いている」という感覚を得られます。
ドライブ系アンプ(Marshall JCM800やMesa Boogieなど)と組み合わせるとその真価を発揮します。ミッドレンジの突き出しがフラゲラー効果によって強調され、エヴァン・レイノルズのような「切れ味鋭いリードトーン」を再現する際にも有効です。ただし、ギターのボリュームで細かく調整することでアンプ直結時の歪みレベルとフラゲラーの残響感のバランスを取ることが可能であり、極端に音声が膨らむことはありません。
Rateを遅く設定するとトレモロに近い効果となり、ブルースやファンク系のクリーンサウンドにも応用可能です。この場合でも<強>低域が安定しているためベースラインを崩さないのが特徴で、リズムセクションとの相性が良好です。一方、高速に振動させるとワウペダル的な動きを生み出しますが、フットコントロール不要な固定速度での使用を前提としているため、「自動ワウ」としての使い方も考えられます。
Feedbackノブによる残響は自然なリバーブ感を与えますが、人工的すぎるデジタル系フラゲラーとは異なり、アナログ回路由来の温かみがあります。特に中高域帯での伸びがあり、サスティン中にエフェクト効果が薄れていく過程で音声が突然消えることなく滑らかに減衰していくのが聴き所です。
ギター本体のボリュームとの追従性も高く<強>ダイナミクスを殺さない設計と言えます。強く弾くとフラゲラー感が目立ち、弱く弾くと控えめになるため、ピッキングニュアンスによる表現幅が広がります。これはライブパフォーマンスにおいて非常に重要で、「今この瞬間の演奏強度に応じてエフェクト量が変化する」自然な挙動を実現しています。
総じて音質面では「派手さ」と「透明感」の絶妙なバランスが取れており、バンド全体のミックスの中で存在感を保ちつつ邪魔をしないという理想的なモジュレーションペダルの姿を示していると言えます。
類似機材・競合モデルとの比較
MXR EVH-117と同価格帯で比較検討されるべきライバル機材としてBOSS MD-200 ModulationやELECTRO-HARMONIX MOD 11が挙げられます。これらはそれぞれ異なるアプローチでモジュレーションエフェクトを提供しており、ユーザーのニーズによって使い分けが必要です。
まずBOSS MD-200は<強>96kHz/32bit float演算処理を採用したデジタル系ペダルであり、12種類のモジュレーション効果を内蔵しています。価格も約¥33,000とEVH-117に近い水準ですが、最大の違いは「多機能性」にあります。一つのペダルの枠を超えて多彩な効果を得られるという点ではMD-200の優位性は明らかです。
一方、MXR EVH-117はフラゲラーに特化したアナログ回路による<強>音質の透明感とレスポンス速度で勝負しています。デジタル機材に見られるような処理遅延(レイテンシー)がなく、ピッキングのアタックがそのままエフェクトに乗るため、リードプレイにおける追従性が圧倒的に優れます。
ELECTRO-HARmonix MOD 11は約¥23,800と手頃な価格帯で提供されておりトレモロ・ビブラートなど多様な効果を備えています。コストパフォーマンス重視のユーザーには魅力的ですが、フラゲラー単体での音質比較ではEVH-117の方が高域の抜けや低域の安定感に優れる傾向があります。
具体的な使い分けとしては<強>ライブで素早くトーンを変える必要がある場合はMD-200のような多機能機が有利ですが、スタジオ録音や特定のフラゲラーサウンドを追求する場合ではEVH-117の方が目的達成度が高いと言えます。またアンプのキャラクターを活かした自然な空間処理を求めるユーザーにはアナログ回路の優位性からMXR EVH-117が推奨されます。
価格差としては約¥2,000〜¥3,000程度の違いですが、この差は「機能数」と「音質の本質」の違いとして現れます。多機能を求むか純粋なフラゲラーサウンドを求むかで選択基準が変わるため自分の演奏スタイルに最も近い一台を選ぶことが重要です。
総じて比較対象の中でEVH-117は「一点突破型」のペダルとして位置づけられ、フラゲラー単体としての音質と操作性で他を凌駕する存在と言えます。
比較した同価格帯モデルはこちら。気になる1台があればチェックしてみてください。
ジャンル別・シチュエーション別の使い方
ハードロックやメタルのギターソロで、EVH氏特有の「泣き声」のようなモジュレーションを再現できるのが最大の特徴です。
このペダルは単なるフランジャーではなく、エドワード・ヴァン・ハレン(以下Evil E)が愛用していたサウンドのコアとなる部分を担当します。特に1980年代〜90年代初頭の彼のギターソロやイントロで聴けるあの独特の揺れは、一般的なフラインガーでは出せない「太さ」と「歪みとの相性」を持っています。高ゲインのアンプに接続し、ボリュームペダルを併用してダイナミクスを出しながら操作することで、単調になりがちなフランジャーサウンドに厚みが加わり、メタル的なヘビーネスの中に感情表現の幅を広げることができます。宅録では、クリーントーンで軽くかけると空間効果として非常に洗練された印象を与え、ポップやR&B系のアコースティックギターアレンジにも活用可能です。
ライブシーンにおいては、ワンタッチでの音色変化が重要な武器となります。イントロの頭出しなどで短くオンにしてからオフにする「ダブリング」的な使い方や、ソロの出だしで深くかけていく演出など、ステージ上のドラマチックな瞬間を作りに適しています。
また、ブルースロックのようなジャンルでは、ミディアムゲインのアンプ設定と組み合わせることで、クリーン寄りのトーンに滑らかな波紋を加えることができます。この場合の音は硬すぎず、むしろ温かみのある揺れとして機能し、弾き語りやバンド内でメロディを際立たせるためのアクセントとして重宝します。特に「フラジール」なフレーズで効果を発揮するため、テクニック的な派手さよりも音色そのものの魅力を引き出したいプレイヤーに向いています。
さらに、ストリングスやキーボードなどの他の楽器との調和を考える場合も有用です。周波数帯域の狭いモジュレーションであるため、低域を濁らせにくく、ミックスの中で位置取りやすいという利点があります。宅録でマルチトラックレコーディングを行う際にも、この特性により他パートと干渉しにくい音作りが可能であり、エンジニアリング的な観点からも評価が高い機材と言えます。
総じて、単なるエフェクトとしてではなく、「特定の音楽的アイデンティティ」を追求するためのツールとして位置づけることで、その真価を発揮します。汎用的なモジュレーションペダルよりも目的が明確であるため、Evil Eのサウンドに憧れを持つギタリストにとっての必携アイテムとなり得るでしょう。
逆に言えば、この音が好きでなければ魅力を感じにくい点も正直に述べておくべきです。汎用的な「美しいフランジャー」を求めるのであれば他の選択肢の方が適しているかもしれませんが、「あの音を出したい」という明確な意志があるならば、これ以上の選択肢はほぼ存在しないと言っても過言ではありません。
結論として、ジャンル横断的な万能性よりも「特定のスーパースターサウンドの再現力」に特化した機材であり、そのニッチな領域での圧倒的な完成度こそが最大の売りです。
おすすめセッティング例
用途別セッティング例
- 1
EVHスタイル・ソロ用(基本)Rate: 中央付近 / Depth: 7〜8時方向 / Mix: フルオン。高ゲインアンプで、ボリュームを少し絞って弾くと最も近い音色が得られます。
- 2
クリーン・イントロ用Rate: ゆっくり(左寄) / Depth: やや浅く / Mix: やや薄め。アコースティックギターまたはクリーントーンで、空間的な広がりを出す設定です。
- 3
メタル・リフ強調用Rate: 速く(右寄) / Depth: フルオン / Mix: フルオン。歪みを強くし、モジュレーションの輪郭をハッキリさせることでヘビーなリフに迫力を与えます。
- 4
ブルース・ロック用Rate: ゆっくり / Depth: 中央より少し左 / Mix: やや薄め。ミディアムゲインで、温かみのある揺れを強調する設定です。
長所・短所
MXR EVH-117 EVH117 Flanger エフェクター のメリット・デメリット
- +EVH氏の愛用機材の正確な再現
- +高歪み下での安定したトーン維持
- +コンパクトながら高音質設計
- +ワンタッチで劇的な音色変化が可能
- +特定ジャンルでの圧倒的完成度
- -汎用的フランジャーとしての幅は狭い
- -特定の音が好きでない場合は魅力を感じにくい点がある
- -価格帯が比較的高め(同機能機材比)
- -他のモジュレーションエフェクトとの併用時は注意が必要
こんな人におすすめ
MXR EVH-117 EVH117 Flanger エフェクター が向いている人
- ✓Ed Van Halenのサウンドを追求したいプレイヤー
- ✓ハードロック/メタル系バンドでソロを担当するギタリスト
- ✓特定のアーティスト音色にこだわった機材集めをしている人
- ✓高ゲインアンプ環境でモジュレーションを使いたいユーザー
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